2025年12月29日、台湾メディアTVBSは、中国湖北省の東湖実験室において磁気浮上式の模型列車が5.3秒で時速800キロに到達し、世界記録を塗り替えたと報じた。

同メディアは、この列車が1秒間に222メートル、すなわちF1マシンの最高速度の2倍以上で走行し、瞬時にサッカー場1つ分の距離を駆け抜けたと紹介。この極限の加速を実現した鍵は「電磁推進と磁気浮上」の組み合わせにあると解説し、車輪とレールの摩擦を排除する磁気浮上システムは従来の高速鉄道が直面していた時速350キロの壁を突破し、時速600キロから1000キロへの挑戦を可能にしたと伝えた。

また、驚異的な速度の一方で高い安定性を備えている点にも言及。電磁場による線形制御を行うことで従来の鉄道のような振動が大幅に減少しており、時速800キロからの緊急制動時でも乗客にかかる負荷は1.2G(航空機の中程度の乱気流相当)に抑えられると伝えた。また、制動面では逆方向磁場によるブレーキを採用することで400メートル以内での安全な停止が可能であるほか、停電時に備えた超級コンデンサや48組の応急磁石によるバックアップ体制も整っていると紹介した。

たった5.3秒で時速800キロに到達、高速鉄道の模型車両が世界記録を更新―台湾メディア

さらに、将来の商業化を見据えて異物予知システムの開発にも取り組んでおり、将来的には軌道上に設置された高密度センサーにより、人間の反応速度を遥かに上回る速さで異常を検知し、必要に応じてプラズマによる異物除去装置を起動させるといった極限の安全確保策も構想されていることを伝えた。

記事は最後に、この技術が単なる移動手段に留まらず、ドローンの射出やロケットの地上加速システムなど、低空経済や宇宙開発分野への応用も期待されていると付け加えた。(編集・翻訳/川尻)

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