2026年1月3日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、26年の世界経済が強靭さを示す一方でぜい弱性も露呈する可能性があると報じた。

記事は25年の世界経済について、貿易摩擦の激化や不均衡な成長、多くの地域における高インフレや債務問題といった課題に直面したとし、その多くが26年も継続するだろうと指摘した。

また、経済協力開発機構(OECD)の推計として、26年の世界経済成長率は25年の3.2%から2.9%へと鈍化する見通しで、世界経済は強靭さを保ちつつも依然として脆弱だと紹介した。

米国情勢については、トランプ政権が25年4月に導入した包括的な関税政策が世界に衝撃を与え、イェール大学予算研究所の試算によると米国の平均関税率が政権発足時の2.5%から17.9%へと上昇し、1934年以来の高水準に達したと伝えた。また、連邦最高裁判所が年内にも関税発動における大統領の権限に関する裁決を下す見込みであるものの、関税問題は今年も主要な議題であり続けるだろうと予測した。

米中関係については、両国首脳が10月に貿易戦の「12カ月間の一時停止」に合意したものの、緊張緩和はぜい弱だと指摘。国際経済学者のラジブ・ビスワス氏が「恒久的な平和条約ではなく停戦協定に近い」合意だとして、人工知能(AI)や量子コンピューティングなどの重要分野における地政学的競争は続くとの見方を示したことを伝えた。

記事は中国経済について、依然として強靭さを維持すると予想されるものの、高齢化や産業の過剰生産といった根深い構造的課題が存在することに言及。キャピタル・エコノミクスのチーフエコノミスト、ニール・シアリング氏の指摘として、国内の消費が振るわない中で生産ばかりが先行する中国の成長モデルが長期的な過剰生産と消費低迷を招いていると伝えた。さらに、アジア全体の経済については、トランプ大統領の関税政策がより深刻な打撃を与えるだろうという専門家の分析を紹介した。

欧州および世界的な債務問題については、関税やサプライチェーンの混乱が物価上昇を招き、各国中央銀行がインフレ抑制と経済成長支援の間で困難な選択を迫られるだろうと指摘。特にフランスのようなユーロ圏の国々は財政赤字削減に苦慮するとしたほか、ドイツについても政府が景気浮揚の施策を打ち出す一方で、シンクタンクが今年の成長率予測を下方修正するなど、低迷から抜け出せない雰囲気が漂っていることを示唆した。

記事は最後にAI分野への投資熱について触れ、米国の大手テクノロジー企業による巨額のインフラ建設投資がGDP成長に寄与するとみられる一方、投資家からは収益性への懸念も高まっていると伝えた。そして、仏投資銀行グループ、ナティクシスのアリシア・ガルシア・ヘレロ氏の警告として、AIバブルが崩壊すれば米国経済ひいては世界経済に甚大な影響を与え、景気後退を招くリスクがあると結んだ。

(編集・翻訳/川尻)

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