シンガポールメディアの聯合早報は7日、中国で「宅配便の受け取り拠点(共同受取所)」と呼ばれる小規模事業で、深刻な大量撤退が起きていると報じた。
中国の共同受取所は、日本のコンビニ受け取りなどとは異なり、個人事業主が宅配業者から手数料を受け取って運営する形態だ。
収入が伸びない一方で、責任と拘束時間だけが重くのしかかる構造となり、赤字と撤退が続出。「2026年最初の業界倒産ラッシュ」「最も悲惨な大量撤退」とも形容されている。SNSや中古品取引プラットフォームには「急ぎで譲渡」と書かれた売却情報があふれ、価格が1~2万元(約22万~44万円)まで下がっても買い手がつかないケースが目立つ。
実際に拠点を手放した程(チョン)さんは、「本当に儲かるなら誰も売らない」と語る。25年9月に約6万元(約130万円)を投じて拠点を引き継いだが、朝9時から夜10時まで年中無休で働いても月収は6000元(約13万円)余り。わずか3カ月足らずで、2万元(約44万円)余りでの譲渡を余儀なくされたという。
業界のデータによると、24年時点で全国約18万7000カ所ある共同受取所のうち、半数以上が赤字。平均存続期間は2.3年から11カ月へ急落し、開業半年以内の倒産率は43%に達している。
記事は、共同受取所が参入のしやすさを背景に急拡大した一方、その成長のあり方自体が「崩壊を招く時限爆弾」だったと指摘する。10年の「独身の日(11月11日)」セールで配送がパンクしたことをきっかけに、地域商店による代理受け取りが広がり、13年にアリババ傘下の菜鳥驛站設立を機に本格化。18年以降、配送量の急増で不可欠な存在となり、20年ごろには「黄金期」を迎えた。
しかし、無秩序な拡大は、罰金規定の厳格化や手数料引き下げ、同業者間の過当競争を招いた。価格のたたき合いや配達員の引き抜き、嫌がらせや通報合戦も起き、1件当たりの利益は最盛期の半分以下に落ち込んだ。
一方、中国全体の宅配需要は拡大を続けており、取扱量は20年の830億件から24年には1750億件へ倍増した。専門家は、今回の閉鎖・撤退は非効率な拠点が淘汰される「調整局面」だと分析しており、今後は効率的な運営や付加価値を提供できる共同受取所だけが生き残るとみられている。(翻訳・編集/北田)











