中国メディアの界面新聞は7日、「中国による軍民両用品の対日輸出規制でこれらの業界が間もなく影響を受ける」との記事を掲載した。

中国商務部は6日、「国家安全と利益の維持、ならびに不拡散などの国際義務を履行するため」とし、軍民両用品の日本向け輸出規制を発表した。

公告では、軍事用途、または軍事力向上に資する可能性のあるすべての物品の輸出を禁止すると明記している。また、「いかなる国や地域の組織・個人であっても、これらの規定に違反し、日本の組織や個人に移転・提供した場合は、法に基づき責任を追及する」としており、公告は公布日から即日施行された。

記事は、軍民両用品について「民生用途と軍事用途の双方に使用可能、または軍事的潜在力を高め得る物資・技術・サービスを指し、大量破壊兵器やその運搬手段の設計・開発・生産・使用に関わるものも含まれる」とし、「2026年度版の管理目録によると、各分野の専用材料、化学製品、電子、コンピューターなどに加え、レアアースも対象に含まれている」と説明した。

その上で、「中国は世界最大のレアアース資源国であり、採掘・精錬・消費までを網羅する完全な産業チェーンを有する。特にレアアース永久磁石は最大の消費分野で、日本や韓国などアジア向け輸出が全体の40%超を占める。日本の対中依存度は全体では約60%まで低下してきているものの、電気自動車(EV)用モーターに不可欠なジスプロシウムやテルビウムなど重希土類は、依然としてほぼ100%を中国に依存しており、供給制限がかかれば日本の産業への影響は極めて大きい」との見方を示した。

一方で、輸出する中国側の企業への影響も懸念されている。ただ、レアアース業界アナリストである史鑫(シー・シン)氏は「ネオジム・鉄・ボロン系の永久磁石の対日輸出比率はおおむね5%前後にとどまっている」とし、「仮に対日輸出が全面的に禁止されたとしても、欧米など他の主要市場の支えがあることから、中国の輸出総量が大幅に落ち込む可能性は低い」と指摘。「対日輸出の引き締めは、海外市場を補助的な柱としてきた企業に対し、26年の成長路線の見直しを促すことになり、各企業は受注を他地域へ移転させることの実現性を再考する必要がある」とも言及した。

記事は、近年、ガリウム、ゲルマニウム、アンチモンなども、軍民両用品として市場の注目を集めてきたと説明。「中国商務部は24年12月、原則としてこれらの材料の対米輸出を許可しない方針を示し、同時にグラファイト製品に対する審査も強化した」とし、「これら鉱物は用途が広く、かつ重要性が高い。ガリウムは半導体や太陽電池、先端合金に不可欠であり、ゲルマニウムは赤外線光学や光ファイバー通信で重要な役割を担う。

アンチモンは難燃剤や電池材料に加え、半導体材料や一部軍事用途にも用いられる。タングステン製品も典型的な軍民両用品で、日本は中国産タングステン製品の最大の輸出先となっており、一連の輸出規制政策はすでに実質的な影響を及ぼし始めている」とした。

そして、「25年の世界の酸化ジルコニウム市場規模は42.3億元(約950億円)に達し、第一稀元素化学工業、東ソー、レゾナックなどの日本メーカーが重要な市場地位を占めている。中信証券のレポートによると、酸化ジルコニウムの重要原料である酸化イットリウムの価格がレアアース輸出規制の影響により25年に大幅に上昇し、年初から11月末までの最大上昇率は50倍に達したとされている」とし、「日本の主要な酸化ジルコニウムメーカーは、事業が軍事分野に関与していることから、今回の対日輸出規制により、中国からの酸化イットリウム原料の輸入が滞る可能性がある」と指摘。中信証券の見立てとして、「日本メーカーの生産が影響を受けた場合、中国の酸化ジルコニウムメーカーが市場シェアを獲得する戦略的な好機が到来する」と伝えた。

記事はこのほか、グラファイトも現在のリチウムイオン電池において最も主要な負極材料であるとし、「中国は世界最大規模のグラファイト負極材料の生産・供給国であり、今回の輸出規制の実施は日本の電池メーカーに直接的な影響を及ぼすだけでなく、中国国内のグラファイト負極産業が海外展開を加速させる後押しになる」との見方を伝えている。(翻訳・編集/北田)

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