中国科学院の発表によると、「宇宙応用向けリチウムイオン電池の電気化学・光学的原位置観察」プロジェクトが、中国宇宙ステーション内で実施されました。

リチウムイオン電池は、高いエネルギー密度、長いサイクル寿命、高い安全性と信頼性により、現代の宇宙ミッションにおける「エネルギーの心臓」と称されています。

リチウムイオン電池の性能研究は現在、微視的メカニズムのレベルまで深化しており、その中でも電解液内部の化学物質分布状態は、電池の出力と寿命を決定づける核心的要因の一つです。

地上実験では、重力場が常に電場と複雑に絡み合い、重力が電池内部プロセスに及ぼす影響を単独で解明することが困難です。一方、宇宙特有の微小重力環境は、電池内部のイオン輸送や挿入・脱離などの鍵となるプロセスを、より純粋な形で研究できるため、理想的な実験場と見なされています。しかし、微小重力環境は実験に新たな課題ももたらしています。それは、電池内部の液体の挙動が地上と大きく異なり、電池性能の低下や安全性リスクの増加につながる可能性があることです。

今回の実験では、ペイロードスペシャリストが微小重力環境下でのリチウムイオン電池原位置光学観測実験を実施し、リチウムデンドライト(樹枝状結晶)の成長全プロセスを動画で記録しました。精密な電気化学実験の微調整、実験状態のリアルタイムモニタリング、重要な科学現象の識別と記録などを完了しました。

本実験の展開は、電気化学の基礎理論の発展を促すと期待され、現在軌道上にある電池システムの適正化や、次世代の高エネルギー密度・高安全性を備えた宇宙用電池の設計に資する根拠を提供する見込みです。(提供/CRI)

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