米商務省は9日、国家安全保障上の懸念に対応するとして計画していた中国製ドローンへの規制導入案を撤回したと発表した。4月に予定されているトランプ大統領の訪中と関係しているとの見方がある。
米商務省は2025年9月、情報通信技術関連のサプライチェーンの問題に対処するため、中国製ドローンの輸入を制限、あるいは禁止する規則を導入する計画と表明した。しかし政府ウェブサイトの9日の発表によると、米商務省は25年10月8日に規制導入の提案の審査を連邦政府に求めたが、26年1月8日には同提案を撤回した。
一方で連邦通信委員会(FCC)は25年12月、国家の安全保障を理由に、中国の大疆創新(DJI)や道通智能(Autel)を含む外国製の新型ドローンおよびその主要部品の輸入を禁止した。しかしFCCは1月になり、中国製以外のドローンの一部をこの制限対象から除外すると表明した。
FCCによる制限は、中国のドローンメーカーが米国で新型ドローンや主要部品を販売するために必要な承認を得られなくする方法だった。ただしこの制限は、FCCが以前に承認した既存モデルの輸入、販売、使用を禁止するものではなく、すでに購入済みのドローンにも影響しない。
公開された記録によると、米連邦政府と商務省は上述のドローン規制案について12月19日まで何度も会議を重ねており、12月11日にはDJIの幹部とも面会した。DJI側は米当局者に対し、中国製ドローンに対する全面的な制限を課すことは「不必要であり、考え方に問題があるだけでなく、米国の利害関係者に極めて深刻な損害を与える」と表明した。
今回の動きは、米政府が対中行動の一部を凍結させている最中に起きた。トランプ大統領は4月に訪中し、中国の習近平国家主席と会談する予定だ。事情を知る米政府当局者は、今回のドローン禁止案撤回の決定は、この訪中と関連しているようだと説明した。
米商務省は2025年1月、ドローンのサプライチェーンの保護規則の制定について意見を求め、中国やロシアからの脅威が「敵対国によるデバイスへの遠隔アクセスや操作を可能にし、米国の機密データが漏洩する恐れがある」と指摘した。
中国からの輸入ドローンは米国の商用ドローン販売の大部分を占めており、その半分以上は世界最大のドローンメーカーであるDJIの製品だ。米商務省は25年1月、輸入ドローンの機載コンピューター、通信・飛行制御システム、地上制御ステーション、オペレーティングシステム、データ保存などのシステムに対する制限を検討していると表明した。一部の専門家は、これらの主要システムを制限することは、米国内における中国製ドローンの運用を事実上禁止することにつながると指摘した。(翻訳・編集/如月隼人)











