2026年1月12日、シンガポールメディア・聯合早報は、中国の人工知能(AI)スタートアップが相次いで上場を果たし、国際的な競争の新たな局面に入ったと報じた。

記事は、中国AI業界の群雄割拠の状況を経て生き残った、評価額が10億ドル(約1570億円)を超える六つの有力AIスタートアップ「六小虎」のうち2社がこのほど香港証券取引所への上場を完了したと紹介。

8日に上場した「世界初の大規模モデル銘柄」を標榜する智譜AI(Zhipu AI)は2日間で株価が32%以上上昇し、翌9日に上場した設立わずか4年のMiniMaxも当日に株価が倍増する活況を見せたと伝えた。

その上で、24年末に登場したDeepSeekの躍進もあり、業界では米中両国のAI技術格差が著しく縮小したとの見方が広がっていることを指摘。米中のトップレベルのモデル性能差が24年の17.5%から25年は0.3%にまで大幅に縮まったというスタンフォード大学のレポートを紹介した。

一方で、香頌資本(シャンソン・キャピタル)の沈萌(シェン・モン)執行董事が、中国企業は依然として「計算能力の首根っこを押さえられている」状態にあるとし、23年以降の米国の輸出規制により、中国企業が計算能力不足に直面していると分析したことに言及。10万個以上の高性能GPUを高速回線でつないで運用する米国企業に対し、中国企業は旧世代チップを大量にかき集めざるを得ない状況で、エネルギー消費やコストの増大、システム制御の複雑化を招き、効率を低下させていると指摘したことを伝えた。

また、資金調達規模においても中国企業が大きく水を開けられており、1000億ドル(約15兆700億円)の調達を計画するOpenAIに対して智譜AIの調達額は約42億香港ドル(約850億円)、MiniMaxも6億1900万ドル(約976億円)にとどまっているとした。

記事は、中国の経済学者の盤和林(パン・ホーリン)氏の見解として、中国企業の強みは豊富な応用シーンとデータの取得障壁の低さにあり、言語やデータの違いもあることから、「中国企業の真のライバルは米国ではなく、国内企業かもしれない」と指摘したことを紹介した。

そして、アリババやバイトダンスなどの中国IT大手が業界平均より99%安い価格で大規模モデルを提供するなど「価格戦争」を展開する中で、スタートアップが上場初期のにぎわいを長期的な成長につなげるためには独自の路線を模索する必要があるとの見方を示したことを伝えた。(編集・翻訳/川尻)

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