2026年1月14日、中国メディア・経済観察報は、中国の国家市場監督管理総局がオンライン旅行大手「携程集団(トリップドットコム)」に対し、独占禁止法違反の疑いで立件したと報じた。
記事は、同総局が14日に、携程が市場支配的地位を乱用していた可能性を指摘して独占禁止法違反の疑いで立件したと発表したことを紹介。
そして、立件までの経緯について、過去1年間に地方監管部門や宿泊業界団体、企業などから多数の苦情が寄せられたことから同総局が調査を本格化させ、今年に入って調査班が携程の上海本社を訪れていたと説明。苦情は主に、携程などのオンライン旅行プラットフォーム(OTA)が宿泊施設に対して「どちらか一方を選べ」と取引制限を強いたり、独自のアルゴリズムで自動的に料金を操作したりしていたという内容だったと紹介している。
また、中でも「決定打」となったトピックとして、昨年11月に雲南省旅游民宿業界協会が公表した一部OTAによる不公平な条件提示に関する告発文書に言及。同協会の賀双全(ホー・シュアンチュアン)会長の話として、携程の営業担当が「特牌」と呼ばれる特選ホテルに対し、他プラットフォームでの販売を中止するよう口頭で求めた事例があったと伝えた。
さらに、昨年夏には貴州省や河南省鄭州市の市場監管当局が相次ぎ携程を呼び出して是正を求めており、特に価格設定への介入や「価格の自動調整システム」が問題視されてきたと指摘。携程の内部アルゴリズム「調価助手」は、他社サイトの料金を監視し、携程掲載価格が常に最安となるよう自動的に調整する仕組みになっており、このシステムにより宿泊業者が実質的に価格の自由を失い、携程側が市場価格をコントロールする構造が形成されてきたと解説している。
記事は、携程が監督強化を受けて今月上旬に一部制度を修正し、アプリ上で宿泊施設をランク付けする「金牌」「特牌」の表示を廃止し、外見上は格差をなくした形にしたとも紹介。一方で、一部取引先からは「単に隠しただけで、実質的には何も変わっていない」との声が出ていることを伝えた。
記事によると、旅行市場における携程の影響力は非常に大きく、2024年時点で同社の宿泊・旅行分野の市場シェアは56%と他社を大きく引き離し、中国の独占禁止法で規定する独占状態(経営者の市場シェアが2分の1に達した場合、経営者が市場を支配する地位にあると推定する)にあるという。
中国では21年に電子商取引(EC)のアリババが、22年にフードデリバリーサービスの美団がそれぞれ当局の取り締まりを受けており、記事は今回の動きが「主要インターネットプラットフォーム独占規制の第三波」を象徴するものとの見方を示した。また、単なる取引制限にとどまらない「アルゴリズムによる支配」という新段階の監管事例としても注目している。











