2026年1月14日、中国メディア・第一財経は、スイスの金融大手UBSが「中国でAIバブルが発生する確率は低く、収益化は主にクラウドと広告に依存する」との見解を示したと報じた。

記事は、2025年初頭における中国の人工知能(AI)スタートアップ「DeepSeek」の台頭について触れ、UBS証券の中国インターネット業界担当アナリストである熊瑋(シオン・ウエイ)氏が、13~14日に上海市で開かれた第26回UBSグレーターチャイナ・カンファレンスにおいて「この出来事が業界および資本市場に好影響を与え、多くの海外投資家がAIをテーマに中国資産、特にテクノロジーセクターを再評価し始めた」と述べたことを伝えた。

また、2026年には中国のAI発展経路が米国と明確に分化し、外国人投資家にとって中国資産の保有がリスクバランスを取る選択肢になっているというUBSの見解を紹介した。

その上で、AI業界における収益化の現状について、主にクラウドサービスと広告が収益源になっているとするUBS中国株式戦略研究責任者の王宗豪(ワン・ゾンハオ)氏の見方に言及。また、熊氏も米中双方の上場企業の決算においてクラウド収入の増加やAIによる広告効率の向上が確認されていると述べたことを伝えている。

一方、消費者向け(ToC分野)については、熊氏が「サブスクリプションモデルが成熟した米国に対し、中国では製品の成熟度や普及度、競争環境、ユーザーの支払い意欲などの要因から、サブスクリプションの推進は比較的遅い」と分析し、中国では今年AI製品が消費者に明確かつ反復可能で定量化できる価値を提供できた場合にのみ、消費者側の支払いが加速するだろうとの見方を示したと伝えた。

さらに、モデルの能力に関しては、熊氏が中国の平均レベルと米国の最先端モデルとの差は縮小しつつあり、高コストな米国モデルに比べて手頃な価格の中国モデルのすみ分けができ、中国モデルが海外市場へ進出する可能性があると指摘したと紹介。モデルの発展経路について、米国が汎用人工知能(AGI)に賭ける一方、中国は垂直統合型アプリや特定シーンへのモデル展開が多くなるとの見方を示したと報じている。

記事は、UBSが中国でAIバブル発生のリスクは低いと見ており、その理由について熊氏が、中国のモデル開発は資金が潤沢な大手企業の傘下で進められ、設備投資も米国の約10分の1でありながらトップレベルの能力を維持していることを挙げ、中国企業の戦略が実利的かつ慎重であると説明したことを伝えた。

また、米国ではChatGPTのような少数の強力なAIモデルが既存サービスに代わる大きな受け皿になっているのに対し、中国はAIモデルのシェアが分散している上、各分野の既存サービスアプリが積極的にAI機能を組み込んでユーザー離れを防いでいると指摘。このため、AIによる既存ビジネスの破壊リスクも中国は米国よりもリスクが小さいと論じた。(編集・翻訳/川尻)

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