2026年1月22日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、トランプ米大統領が自由貿易と多国間協調に背を向ける中、中国が「国際秩序の擁護者」として欧州に接近する状況に対するドイツ語圏の主要紙による評論を報じた。
記事によると、スイスの有力紙ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング(NZZ)は、「欧州は中国の協力シグナルを真剣に受け止めるべきだ」と題する論説を掲載した。
まず、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で演説した中国の何立峰(ホー・リーフォン)副首相が、「少数の強国が他国を圧迫するジャングルの掟に戻ってはならない」と述べて暗にトランプ政権の一国主義を批判したことを紹介。中国市場における外資系企業の不遇や補助金問題に対する何氏の説明には「粉飾」の疑いがあると指摘しつつも、中国が世界貿易機関(WTO)のルールを受け入れ、発展途上国特権の放棄さえ表明した点は、米国とは対照的だと評価した。
NZZはまた、現在の国際情勢について、トランプ氏が既存の秩序を破壊しようとする一方で、権威主義体制の中国がその守護者を演じている「あべこべの世界」と表現。欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長が昨年の「競争相手」という対中呼称を封印したことにも触れ、欧州が米国の顔色をうかがうあまり中国の好意的なシグナル(秋波)を無視することは戦略的な好機を逸する恐れがあると警告した。
記事は一方で、独紙フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)による冷徹な現実分析も紹介。FAZはトランプ氏がグリーンランド問題をめぐり関税の脅しをかける中、EUはレアアースで覇権を握る中国のように「目には目を」の報復に出ることは困難だとした。
そして、ドイツ経済研究所の統計によると、米国がEUに100%依存している293品目の多くはチーズやワインなどの食料品であり、レアアースのように経済戦争の武器にはならないと指摘。米国にとって最大の貿易パートナーでありながら、中国のような戦略的な「急所」を突く手段を欠いているという欧州の苦しい立場を伝えた。(編集・翻訳/川尻)











