2026年1月21日、中国メディアの観察者網は「中国の技術供与が得られずインド企業はお手上げ」と題し、インドの財閥大手リライアンス・インダストリーズが中国からの技術供与を得られず、国内でのリチウム電池生産計画を停止したと報じた。

記事は、昨年に米国からの圧力でロシア産石油の購入停止を余儀なくされたインド一の富豪ムケシュ・アンバニ氏が、今年は中国の技術移転制限という新たな苦悩に直面していると伝えた。

そして、米ブルームバーグの報道として、アンバニ氏率いるリライアンスが新エネルギー分野への投資を加速させていたものの、中国側からの先進技術獲得に失敗して計画の一時停止に追い込まれたと紹介。当初提携を協議していた中国企業もすでにプロジェクトから撤退したと報じた。

この背景について記事は、中国当局が昨年7月に改定した「輸出規制目録」で、新たに電池用リン酸鉄リチウムなどの正極材製造技術が制限対象に加えられたことに言及。外部技術に依存するインドにとっては事実上の「首根っこ」を押さえられたリスクがあると、米メディアの分析を交えて報じた。

記事はまた、インドの「メーク・イン・インディア」政策が抱える構造的な脆弱性も指摘。モディ政権は2030年までに電気自動車(EV)販売比率を30%にする目標を掲げ、約1810億ルピー(約3100億円)の補助金で50ギガワット時の生産能力整備を目指したが、実際の稼働能力はわずか1ギガワット時にとどまるとした。

一方で、国内生産の停滞とは対照的に、インドのリチウム電池輸入額が大きく増えており、その75%を中国に依存している現状にも言及。リライアンス以外の財閥も中国を頼みの綱としていたものの、技術的空白を埋める術を失いつつあることを伝えた。

さらに、インドの窮状の背景にはインド企業の研究開発意欲が低いこともあると分析。隣国ネパールでインド製EVが苦戦し、中国のBYDが覇権を握っていることを挙げ、自国資源で高性能製品を作る技術がなければ、対中依存は長期化せざるを得ないと論じた。

記事は最後に、インド政府が中国企業の入札制限緩和を検討しているものの、ムンバイのシンクタンク共同創設者ナターシャ・アガルワル氏が「(対応が)少なく、遅い」と批判し、不確実な環境で企業は動けないと厳しく評価したことを紹介。今後については中国側が経済的利益だけでなく、米印関係などの政治的コストも天秤にかけた上で、協力の可否を自らの意思で決定するだろうとの分析で結んだ。

(編集・翻訳/川尻)

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