中国では人口減少が4年連続で続く中、2025年の出生率が建国当時の1949年に記録を開始してから過去最低を記録した。昨年の出生数は792万人で、出生率は1000人当たり5.63人。

米CNNは「米国に並ぶ軍事大国を目指す中国の野心にも広範な影響を及ぼしかねない」と報じた。

中国国家統計局が19日に発表したデータによると、25年の出生率5.63人は、過去最低だった23年の同6.39人を下回った。24年に一時的に出生数が持ち直したものの、16年以降続く減少傾向が反転したわけではなく、増加は例外的な動きだったことを示している。

25年は出生数792万人に対し、死亡数が1131万人と上回り、総人口は339万人減少して14億489万人。依然としてインドに次ぐ世界第2位の規模だが、中国では労働力人口が減って年金を受給する退職者が増え、人口動態の変化が重大な課題となっている。

16年に廃止された「一人っ子政策」による長年の人口抑制は、日本や韓国と同様に教育水準の上昇、結婚観の変化、急速な都市化、子育て費用の高騰などを背景とした出生率低下の傾向を加速させた。

25年には高齢化がさらに進み、60歳以上の人口は3億2300万人に達し、全体の23%を占めた。24年から1ポイントの増加だった。

CNNは「国連の予測では2100年までに中国の人口の半数が60歳以上になる可能性がある」と指摘。「これは経済だけでなく、米国に並ぶ軍事大国を目指す中国の野心にも広範な影響を及ぼしかねない」とした。

別の記事でCNNは「一人っ子政策」の廃止に伴う取り組みにも触れた。習近平国家主席は「人口の安全保障」が必要との考えを強調。

「質の高い人口発展」を国家の優先課題に位置付け、各地の地方政府は近年、税制優遇措置から持ち家や貸家への経済的支援、給付金、育児休暇の延長まで、さまざまな奨励策を試みてきた。今月1日からはコンドームなどの避妊具に付加価値税を課している。

CNNは「出生率を上げるには若者の失業率や子育てにかかる費用など根本的な問題に対処するべきとの見方も強い」と報道。さらには「一人っ子政策の後遺症で男女比が不均衡になったり、社会保障制度の整備が遅れた農村部などで一人っ子世代が親の介護を一手に担う状況に追い込まれたりしている」とも言及した。

上海財経大学滴水湖高級金融学院の姚洋院長は「20年前に一人っ子政策から転換していればずっとましだっただろうが、もう遅すぎる」と憂慮。「出生率は今後の政策で変動したり安定したりするかもしれないが、長期的に見ればさまざまな理由から、低下は不可逆的」との見方を明らかにした。(編集/日向)

編集部おすすめ