中国SNSの微博(ウェイボー)で「出演者のクレジットがますますややこしくなっている」という話題が注目を集めた。

この話題のきっかけとなったのは、中国で今年の春節(旧正月、今年は2月17日)に公開されるユエン・ウーピン(袁和平)監督の武侠映画「鏢人:風起大漠」。

19日に公開日発表と同時に予告編がリリースされたが、その最後に表示される出演者の紹介が思わぬ注目を集めることになった。

具体的に見てみると、最初に名前が登場するウー・ジン(呉京)、ニコラス・ツェー(謝霆鋒)ら7人は「領銜主演(※領銜は筆頭などの意)」、続くレオン・カーフェイ(梁家輝)は「特別演出」、ジェット・リー(李連杰)は「特別友情出演」と紹介されている。

中国映画のクレジット、「ますますややこしくなった」と話題に

実に出演者30人の紹介に「領銜主演」「特別演出」「友情主演」「友情演出」「友情客演」「特別友情出演」「主演」「友情出演」の文字が登場するという状況で、これを取り上げた中国メディアは「作品の内容よりも先に『この作品で何番手か』を巡る無言の競争が人々の視野に入る形となった」「ここまで細かな分類は、クレジットに対する一般の観客の基本的なニーズを明らかに超えている」と指摘した。

さらに、「こうした何が何だか分からないキャスト紹介は『鏢人』だけの話ではない」として、同じく春節に公開されるチャン・イーモウ(張芸謀)監督のスパイ映画「驚蟄無声」にも言及。その上で、「興行収入と話題性という二重のプレッシャーの下、スターの市場価値はさまざまな肩書きや順位として数値化され、作品の宣伝や交渉における重要な材料になっている」と述べ、クレジットには制作側、俳優側、ファンそれぞれの思惑が絡み合っているとの考えを示した。

「業界が俳優の演技よりも名前の順番に過度に関心を寄せ、宣伝が内容より肩書きに集中するようになれば、芸術創作の本質がゆがむ危険性に直面してしまう」とも指摘しており、中国のネットユーザーからは「『鏢人』に始まった話じゃない。こうした状況はもう何年も前から」「映画祭やテレビ祭の最優秀助演賞はもう廃止していい。だって、もう『助演』というポストがなくなっているんだから」などの声も聞かれた。(翻訳・編集/野谷)

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