中国科学院金属研究所の李昺研究員が率いる研究チームは、冷却技術の分野で新たな進展を達成しました。研究チームが発見した「溶解圧カロリック効果」については、エネルギー消費の多さが課題になっているデータセンターなどの計算力インフラに対して、低炭素で高効率な新しい冷却方法を提供できる可能性が期待されています。

この成果は1月22日、国際的な学術誌の「ネイチャー」に掲載されました。

計算能力は、デジタル経済時代における重要な基盤ですが、その急速な発展の裏ではエネルギー消費量と放熱需要が日増しに増加するという問題を抱えています。データセンターでは冷却システムの消費電力が電力使用量全体のおよそ40%を占めています。研究チームは実験により、チオシアン酸アンモニウムの水溶液が圧力変化によって極めて顕著な熱効果を示すことを明らかにしました。すなわち、加圧するとチオシアン酸アンモニウムの結晶が析出して発熱し、減圧すると結晶が急速に溶解して強く吸熱します。その結果、室温環境では溶液の温度が20秒以内におよそ30度低下し、高温環境ではさらに大きな冷却効果が確認されました。このことは、これまでに知られている固相転移材料による「圧力カロリック効果」を大きく上回るものです。研究チームはこの現象を「溶解圧カロリック効果」と名付けました。

研究チームはさらに、この「溶解圧カロリック効果」を利用する、4段階からなる循環システムを設計しました。このシステムでは、1回の循環で溶液1グラムあたり67ジュールの熱を吸収することができ、理論上の効率は最大で77%に達します。このことは高い工学的応用の可能性を示すもので、次世代のデータセンター冷却技術に独創的な手法を提供し、計算力インフラの低炭素化を後押しすることが期待されています。(提供/CRI)

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