中国人民解放軍の制服組トップの張又俠・中央軍事委員会副主席と劉振立・軍連合参謀部参謀長の2人が規律と法律の重大な違反の疑いで調査対象になっている。中国国防部の発表として国営新華社通信が1月24日、報じた。
ロイター通信などによると、張氏と劉氏の規律違反の内容は具体的な明らかにされていない。両氏は1月に開かれた共産党の重要会議を欠席しており、動静に関心が集まっていた。
軍の最高指導機関である中央軍事委の現体制は22年10月に7人で発足。その後、23年10月には李尚福前国防相、昨年10月には副主席だった何衛東氏、委員だった苗華氏が汚職で解任された。張、劉両氏の失脚で同委メンバーはトップを務める習近平国家主席と何氏の後任として昇任した張昇民副主席の2人だけになった。
張氏の父親は軍副総参謀長などを務めた張宗遜上将。習氏の父親である習仲勲元副首相と親しかったとされる。張氏も習氏と若い頃から交流があり、習氏が信頼を寄せていたとみられていた。
張氏は1968年に入隊し、中越戦争に従軍。12年に中央軍事委入りし、17年に副主席に就いた。
軍高官2人の調査入りを受け、中国専門家の間では、さまざまな見方が飛び交っている。25日付の香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は事情に詳しい複数の関係者の話として、張氏は汚職や側近、親族を統制できなかったことで告発されたと伝えた。党指導部への報告を怠った責任も問われており、19日に軍の規律部門に正式に拘束され、党幹部には23日に知らされたという。
ロイター通信によると、シンガポール在住で、S・ラジャラトナム国際研究院の中国安全保障専門家のジェームズ・チャー氏は、粛清があっても軍の日常業務は通常通り続けられるとの見解を示しつつ、張氏を標的にしたことは弾圧が選択的すぎるとの批判に習氏が呼応したと推察した。
さらに「習氏は空いたポストを埋めるため「第二線の人民解放軍将校を登用している。大半は暫定的な措置だ」と言及。「中国の軍事力近代化の推進派は習氏が軍に設定した二つ目標、すなわち35年までに近代化を基本的に完成させることと、49年までに世界クラスの軍隊にすることの達成に向けた動きを引き続き推進するだろう」との見解を表明した。
こうした中、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、張氏には核兵器プログラムに関する機密情報を米国に漏らした疑いと国防相ポストなど重要な昇進をめぐる収賄の疑いが指摘されていると報道。波紋を広げた。
米ブルームバーグ通信によると、アジア・ソサエティー政策研究所の中国分析センターのニール・トーマス研究員は、張氏による情報漏えいの疑いには懐疑的な見方を示した。
軍高官が中国を離れることはまれで、通信は厳重に監視されている。中央軍事委副主席に就任して以降、張氏が現職の米政府高官と会談したのは、24年に当時のサリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)と1度だけだったという。(編集/日向)











