中国南部広東省の中国科学院深セン先端技術研究院の研究チームが5年をかけて、遺伝子治療分野におけるAAV(アデノ随伴ウイルスベクター)を用いた、塩基配列の長い遺伝子の効率的な送達という難題を克服し、「AAVLINK」と名付けられた新たな遺伝子治療法を開発しました。この治療法は、自閉症やてんかんなどの神経系疾患やその他の遺伝性疾患を対象とした遺伝子治療技術の臨床での応用を促進することが期待されます。

これに関する研究成果は1月28日付の国際学術誌「セル(Cell)」に掲載されました。

AAVは安全性が高く免疫原性が低いため、理想的な「遺伝子の宅配便」と見なされていますが、最大でも4.7キロベース(kb)(4700塩基対、塩基対は二つの塩基がペアになったもの)の遺伝子しか運べず、自閉症やてんかんに関連する多くの病原遺伝子はこの容量を超えています。

研究チームが開発した「AAVLINK」法は、長い遺伝子を二つの断片に分割して、それぞれ一つのAAVに搭載させます。一つのAAVが運ぶ遺伝子の断片には特別な「分子面ファスナー」であるlox部位を装着し、もう一つのAAVには、残りの半分の遺伝子断片とlox部位に加え、Creリコンビナーゼ遺伝子を搭載させます。これら二つのAAVベクターが細胞内に入ると、Creリコンビナーゼが「ファスナー」を正確に認識し、分割された二つの遺伝子断片を正確に再構成して、完全な機能を持つ遺伝子として発現させます。さらに研究チームは、潜在的な遺伝子再配列や免疫反応といった生物学的安全性の問題に対処するため、この技術の2.0版も開発しました。

研究によれば、この技術はさまざまな細胞で大断片遺伝子を効率的に再構築し、不完全な(途中で切れた)タンパク質が生じないようにするため、再構成効率が従来の方法を著しく上回ることが示されました。動物実験では、この技術がモデルマウスの行動やてんかんに類似する症状を効果的に改善できることが確認されました。(提供/CRI)

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