2026年1月30日、台湾メディアの下客邦は「人工知能(AI)が海賊版漫画の最大の共犯者に、日本アニメ・漫画産業崩壊の危機」とする記事を掲載した。

記事は、「AI技術の急速な発展は、本来であれば創作者の助けとなるはずだったが、思いがけず日本漫画の海賊版が世界中にまん延する最大の共犯者となっている。

AI翻訳の低コストかつ驚異的なスピードによって、海賊版コンテンツの『ローカライズ』が極めて容易となった結果、日本アニメ・漫画産業の中核的価値が深刻に脅かされているのだ。現在、AIの発展はもはや止めようがなく、多くの産業がその影響を受けている。その中で、漫画大国・日本が誇る数多くの優れた作品が、海外の海賊版サイトによって大量に拡散されている」と述べた。

続けて、「日本アニメ文化輸出協会(ABJ)の最新統計によれば、25年6月時点で世界中で確認された日本アニメ・漫画の海賊版オンライン閲覧サイトは749件に達しており、そのうち日本語サイトはわずか103件にすぎず、英語圏だけで全体の半数以上のシェアを占めている状況だという。一方、『日本アニメの第2の故郷』とも称されるフランス語圏では、該当サイトはわずか8件にとどまっており、フランスの読者が正規版を強く支持していることがうかがえる」と言及した。

また、「日本の文化庁は、海外における海賊版漫画の拡散を抑えるためには、まず正規版のローカライズ速度を加速させ、海賊版サイトの翻訳スピードを上回ることが最優先課題であると分析している。しかし、ここに大きな問題が存在する。現在、日本の出版社は海外市場の拡大を急ぐあまり、AI翻訳ツールを積極的に導入している一方で、海外出版社や翻訳者の人的価値を軽視しているのだ」とした。

そして、「その結果、AI翻訳された作品がそのまま配信サイトに流通し、他の海賊版サイトもその翻訳を容易に『二次学習』させ、短時間で新たなローカライズ版を量産できる状況が生まれている。現行の法制度では、AIが原作を学習し、そこから生成されたコンテンツが著作権侵害に当たるかどうかを明確に判断することは依然として難しい。しかし、その副作用はすでに明白であり、海賊版サイトの閲覧数は倍々ゲームのように急増している。本来は高額であった人力翻訳のコストが、AIの波によって投げ売り同然にまで下がってしまったのだ」と説明した。

その上で、「業界が最も危惧しているのは、日本アニメ・漫画の核心的な魂が、人間による解釈を欠くことで、徐々に失われていく可能性である。少なくとも海外の読者の目には、作品に込められた繊細な感情表現がすでに別物に映っているかもしれない。専門的な人力の翻訳と比べて、AI翻訳は原作者がセリフの裏に込めた真意までを完全に表現できるのだろうか」と問い掛けた。(翻訳・編集/岩田)

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