固体燃料ロケット「快舟11号遥8」によって宇宙に送られたチョウのさなぎが、重慶大学の研究チームが開発した小型宇宙生態系実験ペイロード「神農開物2号」の内部でチョウへと羽化した。新華網が伝えた。

重慶大学の「神農開物2号」小型宇宙生態系実験ペイロードは2025年12月13日に宇宙実験装置に搭載され、「快舟11号遥8」によって打ち上げられ、軌道上での実験ミッションを開始した。

重慶大学の研究チームがこのほど受信した実験データによると、ペイロードの密閉チャンバー内の気圧、温度・湿度などの技術指標は安定して正常な状態を維持している。宇宙から送られてきた画像では、新しく羽化したチョウが蛹殻を抜け出した後、密閉チャンバー内を行き交い、時には葉の上にとどまり、時には羽ばたいて飛行し、その活動範囲はチャンバー内の大部分をカバーしており、宇宙の微小重力環境への良好な適応性を示している。

重慶大学の宇宙生命実験が新たな進展、「宇宙のチョウ」が羽化―中国

重慶大学「神農開物2号」実験ペイロードのチーフデザイナーの謝更新(シエ・ゲンシン)氏は、「高湿度環境下でマグネシウム合金が酸化・腐食しやすいという技術的課題を克服し、軽量でありながら堅牢なペイロード構造を実現した。総重量はわずか8.3キログラムで、小型生態系のための『安全バリア』を築いた。ペイロードの設計は地球の生態循環の論理に基づき、機能が完結したミニチュア生態循環の原型を構築した」と説明した。

重慶大学の宇宙生命実験が新たな進展、「宇宙のチョウ」が羽化―中国

この無人操作で自己維持型の閉ループシステムにおいて、植物は酸素と食料を生産してチョウの基本的な生存条件を満たし、微生物は生物由来の廃棄物を効率的に処理することで、チャンバー内の気体成分の安定を維持している。

謝氏は、「これは単に『宇宙の昆虫』が1匹増えたということではない。複雑な生命維持システムを軌道上で長期間運用できる可能性に向け、確かな一歩を踏み出したことを意味する。『宇宙のチョウ』が極限環境の中で蛹から成虫へと至る重要な生命過程を完遂したことは、地球生命の強靱性を検証すると同時に、将来の深宇宙探査に向けた生命維持技術の発展に有益な示唆を提供している」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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