中国IT大手の騰訊(テンセント)と百度(バイドゥ)が、春節(旧正月、今年は2月17日)に合わせて大規模な「紅包(お年玉)」キャンペーンを展開し、人工知能(AI)サービスの利用拡大を図っています。両社は近年、AI分野での競争力について慎重な見方も出ていましたが、かつてモバイル決済の普及を後押しした紅包施策を再び活用し、存在感の強化を目指しています。

騰訊は2月1日、傘下のAIアプリ「元宝」で総額10億元(約220億円)の紅包配布キャンペーンを開始しました。このキャンペーンを受け、元宝は米アップルの無料アプリランキングで首位に浮上し、注目を集めました。

同社の馬化騰最高経営責任者(CEO)は、この施策に大きな期待を寄せています。2015年の春節には、微信の紅包キャンペーンが急速な利用者拡大につながり、決済市場での競争環境を大きく変えた実績があり、今回もAIサービスの普及に弾みをつけたい考えです。

一方、百度も1月下旬から総額5億元(約110億円)の紅包企画を展開しています。ユーザーがAIアシスタントの「文心助手」を利用することで紅包を獲得できる機会が設けられており、キャンペーンは3月中旬まで続く見通しです。

現在、中国では字節跳動(バイトダンス)の「豆包」や阿里巴巴(アリババ)の「千問」などが高い利用者数を誇っており、AI市場の競争は激しさを増しています。業界関係者の間では、春節期間の紅包施策は利用者接点を広げる有効な手段としつつも、継続的な利用定着にはサービス内容の充実が重要との見方が示されています。

ある金融機関の分析では、今回の動きは単なる販促にとどまらず、中国のAIアシスタントが一般層へ浸透できるかを見極める重要な局面になるとされています。春節後も高い利用頻度を維持できるかが、今後の成長を左右するポイントとなりそうです。(提供/CRI)

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