中国科学院地質・地球物理学研究所によると、同研究所のロス・ミッチェル研究員と馮連君教授をリーダーとする国際チームが、鉄同位体を「古代温度計」として用いる革新的な手法で、約7億年前の「スノーボールアース」時代の海洋温度を直接測定しました。それによると、当時、海洋温度は局所的には氷点下15度まで低下し、塩分濃度も極めて高かったことが分かりました。

この研究成果は『ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)』誌に掲載され、『ネイチャー(Nature)』や『ナショナル・ジオグラフィック(National Geographic)』などの雑誌でも報じられました。

「スノーボールアース」とは、約7億2000万年から6億3500万年前に地球が2回にわたって「ほとんど氷に覆われた」状態で、極地から赤道まで含めたほとんどが氷層で覆われ、海洋さえも「巨大な海氷」と化し、その状態が数百万年続いた現象を指します。科学者らは長年、当時の海洋が極めて寒冷だったと推測してきましたが、いったいどれほどの低温だったのかについては直接的な証拠を欠いていました。

研究チームは今回、古代の鉄鉱層に含まれる鉄同位体を分析することで、当時の海洋温度の手がかりを解読することに成功しました。鉄鉱層は現代の製鉄に使われる主要な鉱石で、鉄に富む層とケイ素に富む層が交互に積み重なった古い堆積岩です。研究によれば、7億年前のスノーボールアース期の鉄鉱層に含まれる鉄同位体値(δ⁵⁶Fe)は、地質史上のどの時期よりも体系的にプラスの方向へ偏っていることが明らかになり、これは極めて低い温度を示すものです。

これほどの低温でありながら、なぜ海水が完全に凍らなかったのかについて、研究は当時の局所的な海水の塩分濃度が現代の海水の4倍以上と極めて高く、そのため海水の氷点が氷点下約11度まで下がっていたことを明らかにし、これは推定していた低温と一致しています。(提供/CRI)

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