中国メディアの大河報の5日の報道によると、昨年、中国・雲南省文山チワン族ミャオ族自治州で起きた自動車事故の映像がにわかに注目を集めている。

事故があったのは2025年3月19日。現場の映像によると、中国の自動車メーカー・東風奕派の新エネルギー車(NEV)「イーパイ007」がコントロールを失い道路脇に衝突。運転手が車外に出て後部座席のドアを開けようとしたものの開かなかった。車両から煙が上がる中、現場に駆け付けた別の男性が石で窓を割って乗っていた人らを救助した。車両からは火の手が上がり、その後炎上。助手席に乗っていた1人が死亡したが、後部座席の3人は一命を取り留めた。

動画は救助に駆け付けた男性が最近SNSに投稿したことで注目を集めた。男性は「これほど大きな反響を呼ぶとは思わなかった。みんなが勇敢だと言ってくれるが、自分ではそうは思わない。ただ、ちょうど石が目に入り、それでガラスを割っただけ」「今でも恐怖が残っている。助手席にも人がいて、ずっと悲鳴が聞こえていた。でも火の勢いがあまりにも強かった」と助けられなかったことを悔やんだ。

トラック運転手をしているという男性は、救助の際に手に大きなけがを負った。回復は進んでいるものの、現在も5本の指に包帯を巻いている。男性は「5本の指には指紋が戻ってきたが、完全な回復にはまだ時間がかかる。トラックは運転できなくなるかもしれない。重労働はできず、物をつかむだけで痛む」と説明。「どの運転手でも、こうした状況に遭遇すれば助けに行くはず。自分の場合は少し命懸けだっただけ。なぜあれほどの勇気が出たのかは、自分でも分からない」と語った。

事故をめぐっては、「車体に大きな損傷はなかったように見えるが、なぜ発火して急速に炎上したのか」など、車両の安全性を疑問視する声が上がっている。動画と共に批判が広がったことを受け、東風奕派は今月5日に声明を発表。事故があったことは事実であり、関係当局への調査の協力や当事者らへの見舞いなどを行ったとした。

その上で、炎上の原因について、「事故車両は映像に映っていないところで貨物車両と高速で衝突していた」と説明。「現在ネット上で拡散されている映像は事実を示すものではなく、かえって事故当事者に二次的な被害を与える恐れがある」として、「善意あるネット環境」を維持してほしいと呼び掛けた。(翻訳・編集/北田)

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