2026年2月5日、中国のポータルサイト・捜狐に「逆転の発想!日本のイラストレーターがAIを使わず『AI生成風』イラストを描く」と題した記事が掲載された。

記事は、「ここ数年、クリエイターたちのAIに対する感情は、実に複雑なものになっている。多くのイラストレーターは、現在のAIによる制作は人間の作風を食い尽くし、それをつなぎ合わせただけのものに近く、創作というより模倣や再構成にすぎないと指摘する。業界内では、それを揶揄(やゆ)して『死体のパーツ』と呼ぶことすらあるという。しかし、ここで一つの疑問が浮かぶ。人間を模倣できるのは、AIだけだと誰が決めたのだろうか」と問いかけた。

その上で、「最近、日本のあるイラストレーターがまさに逆のアプローチを取った。AIを一切使わず、完全な手描きで『AI生成画像に見える』イラストを描き上げ、多くのネットユーザーを見事にだましたのである。この出来事の発端は、日本の架空のネット教育番組風コンテンツ・MNSが、リスナーからの投稿を募集する告知を行い、その際に1枚の告知用のイラストを添えたことだった。そのイラストが公開されるや否や、コメント欄では『配色が不自然だ』『違和感がある』『AI特有の文字化けをしている』といった声が相次いだ」と説明した。

そして、「多くのネットユーザーは、ほとんど反射的に『これはAI生成画像だ』と結論づけた。コスト削減のためにAIを使ったのだろうと思い込まれた矢先、このイラストが、イラストレーター・ままにくす氏本人による手描き作品であり、AIは一切使用していないと補足説明がされた。この発表に対する反応の多くは、驚きではなく疑念だった。なぜならこのイラストは『AI生成画像』に対する固定観念をあまりにも正確に突いていたからである。一見きれいだが、どこか不自然で、よく見ると違和感があるのだ」と言及した。

また、「ネット上の集団的な不信感に対し、ままにくす氏はイラスト制作の全工程を収めたタイムラプス動画を公開した。ラフ、線画、着彩と、すべての工程が明確に記録されており、動かぬ証拠が示されたことで、ネット上では『これはAIの仕事を奪いに来ているのでは』と冗談交じりの声まで上がった。この出来事は一見すると面白い小話だが、同時に胸に刺さるものでもある。今や多くの人が『AI生成画像かどうか』を判断する際、技術的な根拠を見るのではなく『感覚』でラベルを貼っているのが実情なのだ」と述べた。

その上で、「SNS上では、毎日のように多くのイラストレーターの作品がAI生成画像ではないかと疑われ、自ら潔白を証明し続けなければならない状況に追い込まれている。アニメ『氷菓』の二次創作で知られるイラストレーター・Mery氏が、執拗(しつよう)な中傷やAI生成だという決めつけにさらされ、活動休止に追い込まれた例もあった。今回の事例は、AIだと思ったものが、実は人間の表現の一つの可能性にすぎなかったことを示している。もしかすると私たちは、AIによって『美的フィルター』を刷り込まれ、わずかな不自然さを感じただけで、それを即座に『人間の手によるものではない』と判断するようになってしまったのかもしれない」と指摘した。(翻訳・編集/岩田)

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