中国科学院地質・地球物理学研究所や中国科学院空天信息創新研究院(航空宇宙情報イノベーション研究院)の科学者は、中国の無人月探査機の嫦娥6号によって地球から見て月の裏側で採取されたサンプルの研究をベースに、リモートセンシング画像と組み合わせることにより、数十年にわたって採用されてきた月の天体衝突のクレーター年代学モデルを修正し、月の表と裏における隕石衝突フラックス(隕石衝突率)が基本的に一致することを初めて実証しました。衝突フラックスは初期から緩やかに減少しており、「後期重爆撃期」仮説は支持されないことが明らかになりました。

関連する研究成果は2月5日付の学術誌「サイエンス・アドバンス」に掲載されました。

研究チームは高解像度のリモートセンシング画像を用いて、嫦娥6号の着陸地点の玄武岩ユニット(同一時期に形成された玄武岩のまとまり)および南極エイトケン盆地(SPA盆地)における直径1キロ以上の衝突クレーターの密度を統計し、米国によるアポロ計画、ソ連によるルナ計画、さらに嫦娥5号によるデータを総合して新たな月のクレーター年代モデルを構築しました。その結果、月の裏と表の衝突クレーター密度が極めて高い一致を示しました。すなわち、新たなデータは、月の表側で採取されたサンプルに基づいて構築された年代モデルの95%信頼区間に完全に収まっていました。このことは、月の表側と裏側の隕石衝突フラックスに一貫性があることを示しており、月全体の衝突クレーター年代学モデルを確立するための基礎が築かれたことを意味します。また、嫦娥6号のデータを統合した年代モデルは月の科学研究により完全で精密な「時間の尺度」を提供することになりました。(提供/CRI)

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