中国メディアの観察者網は11日、「韓国の自動車メーカーのヒョンデは欧州で中国のライバルと戦う準備ができている」とする英フィナンシャル・タイムズの記事を紹介した。

記事によると、ヒョンデの欧州事業責任者であるザビエル・マルティネ氏は、今後18カ月で五つの電気自動車(EV)とハイブリッド車を投入する計画だとし、「(ヒョンデは)新規参入企業と戦う準備ができている企業の一つだ」と述べた。

マルティネ氏は、欧州連合(EU)の排ガス規制を満たすために中国や他のEV競合企業から排出権を購入する計画はないとし、「目標を達成するためになぜ競合企業に金を払う必要があるのか。これは金を払うだけでなく、相手を強くすることになる」と述べた。

自動車メーカーに排出量削減を義務付けるEUの規則により、EV移行が遅れているメーカーは、数十億ユーロの罰金を支払うか、EV販売を増やすか、排出量の少ない競合企業から炭素クレジットを購入するかの選択を迫られている。

多くの自動車メーカーは罰金を回避するため、米国のテスラや欧州のライバル企業とクレジットをプールしてきたが、この1年でBYDなどの中国の競合企業から数億ユーロ相当のクレジットを購入することに合意したメーカーも現れた。BYDは欧州でのEV販売の好調により世界最大級のクレジットプールを保有している。日産はBYDとクレジットをプールする計画を発表し、マツダは中国国有メーカーとの合弁会社である長安マツダと提携する。テスラはステランティスやフォード、トヨタ、ホンダ、中国のリープモーターなどとクレジットをプールする計画で、メルセデス・ベンツは中国のジーリー・オートモービル傘下のポールスター、ボルボ・カーズと手を組む。

ヒョンデは今のところ競合企業との提携を行っていない。姉妹ブランドのキアも含むこのグループは、EUと英国で非欧州メーカーの中では最大の8%の市場シェア維持を目指し、4月以降、電動ハッチバック「アイオニック3」を皮切りに新製品を投入する。このモデルは最低価格が3万ユーロ(約546万円)弱のフォルクスワーゲン「ID.3」のライバルとなる。

マルティネ氏によると、今後2年間の製品計画、特にパワートレインに関しては非常に明確な戦略があり、外部からの支援は必要ないという。ヒョンデは高度な垂直統合によって半導体、鉄鋼、物流、ロボット工学のサプライチェーンをコントロールできるメリットも享受している。

しかし、ヒョンデのEV移行は業界の予想ほど速く進んでいないため、27年までに全モデルEV化ではなくEVまたはハイブリッド車のオプションを設定する予定で、EUが自動車メーカーに対し21年比で排出量を55%削減することを義務付けている30年が「次の真の試練」になるという。(翻訳・編集/柳川)

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