2026年2月15日、中国メディアの潮新聞は、春節(旧正月)期間中の上海市でペットの訪問世話サービスへの需要が急増し、ベテランシッターが過酷な労働と引き換えに高額の収入を得る実態を報じた。
記事は、ペット業界歴9年の桓聡(ホアン・ツォン)さんとその4人のスタッフが、春節の前後を含む約20日間で計約2000件の訪問によるペットの世話をこなし、桓さん自身は約1000件を担当したと紹介。
また、桓さんが業界に入った9年前は200人の顧客のうち訪問による世話を必要としていたのはわずか12人だったが、今や需要が飛躍的に伸びたとし、顧客の大半は地方からの出稼ぎ労働者で、今年の春節期間における依頼の80%以上が帰省客、約10%が旅行客だったと紹介している。
一方で、驚異的な需要の伸びの裏側で過酷になった労働実態にも触れ、桓さんは毎日午前3時に家を出て午後11時まで働き、1日平均の睡眠時間はわずか3~4時間に過ぎないと説明。1件あたりのサービスは10~15分で、猫砂の処理やエサ・水の補充、健康状態の確認、戸締まり確認、ごみの持ち帰りまでを行い、投薬や爪切りといった追加対応も無料で引き受けていること、最も多い日には55件をこなしたことなどを紹介している。
記事は、参入業者が増えて価格競争が激化する中でも、桓さんが値下げすることなく価格を据え置いてきたと紹介。上海市の嘉定地区では1回60~80元(約1330~1770円)、その他の地域では基本的に100元(約2210円)、特に距離が遠い場合や猫の頭数が多い場合は200元(約4420円)という設定で、市場価格が20~30元(約440~660円)にまで下がる中では割高であるものの、なおも多くのリピート客に支持されていることを伝えた。
また、今年の春節期間における訪問件数は前年比18%増の320件以上に達し、訪問による世話だけで16万元(約354万円)の収入が見込まれるとする一方、この金額はあくまで売上予測であり、スタッフ4人への人件費や諸経費を差し引いた純利益はもっと少なくなるとした。
この件について、中国のネットユーザーはさまざまな見方を示している。特に議論の焦点は16万元という売り上げが労働の対価として釣り合うかどうかに集中しており、「売り上げは2000件の奔走と日平均3時間の睡眠の重みだ」「暴利ではなく苦労の対価」と肯定的に捉える声が多く見られた。一方で「命よりお金が大事なわけがない」と健康を心配する意見や、「自動給餌器やカメラで対応できるのでは」といった懐疑的な意見も散見された。(編集・翻訳/川尻)











