2026年2月15日、中国メディアの観察者網は、米国の一部専門家がAIと量子計算技術を活用してレアアース代替材料を開発し、中国によるサプライチェーン支配を「迂回」できると提唱したのに対し、複数のアナリストが「極めて非現実的」と冷や水を浴びせたことを報じた。
記事は、香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)」の報道を引用し、米テクノロジー企業SandboxAQのジャック・ヒダリ(Jack Hidary)CEOが先月の世界経済フォーラムで、AIと量子計算が二つの強力な計算手段として機能し、豊富な素材を使ってソフトウェア上で合金を設計することで、レアアースなどの代替材料を合成できると主張したことを紹介。
その上で、「豪語」に対して多くのアナリストが一斉に否定的な見解を示したとし、米コンサルティング会社House Mountain Partnersのクリス・ベリー(Chris Berry)代表が、AIと量子計算に関する多くの構想は「誇大宣伝」の域を出ておらず、採鉱・材料分野でいまだ実質的な成果が見られないと指摘したことを紹介した。
記事によると、ベリー氏はさらに、中国が長きに渡りAI・先進計算・材料科学に投資し続けており、新材料の創出においても中国メーカーが先行している可能性が高いと分析するとともに、合金設計の段階から始めて商業化生産を実現するには相当の時間が必要だとも論じている。
記事はまた、業界団体「重要鉱物研究所」のジャック・リフトン(Jack Lifton)共同会長が、現段階のAIには人間の判断力や経験を代替する能力がないと指摘する一方で、中国は冶金において他の追随を許さない深い専門知識と豊富な経験を有しており、「粘り強く経験を積んだ者だけが成功の望みを持てる」と述べたことを紹介した。
さらに、英国発展研究所(IDS)の沈威(シェン・ウェイ)研究員が、仮に米国が実験室で新材料を設計できたとしても、商業化には材料の安定性、規模化生産能力、コスト管理という三つの壁を越える必要があるとし、「完全な産業エコシステムは一夜にして構築できない」と警告したことにも言及した。
このほか、外国直接投資などを専門とする弁護士の薛凱(シュエ・カイ)氏が、たとえAIが代替材料を見つけても実験室から工業化生産への規模拡大は「長く資本集約的なプロセス」だと説明し、AI主導の材料代替が仮に成功したとしても、中国の戦略的地位への影響は「非常に限定的」にとどまるとの見方を示したことを紹介している。(編集・翻訳/川尻)











