2026年2月12日、台湾メディア・TVBSは、中国のZ世代の間で「低欲望消費」が拡大し、自らを「鼠族(ネズミ族)」と自嘲して非社交的な生活を送る若者が急増していることを報じた。

記事は、SNS上で「鼠族」というハッシュタグがトレンドとなり、部屋にこもり長時間スマートフォンを操作するライフスタイルが流行している現状を紹介。

また、デジタルネイティブである彼らが対面でのコミュニケーションコストを嫌い、オンライン交流や内面の充足を重視するのは正常な生活様式であるという認識を指摘した。

その上で、不動産仲介業者「上海信義境外客戸資産管理組」の魏逢佑(ウェイ・フォンヨウ)総監による就職市場の縮小が若者の無力感を増大させているとの分析を取り上げ、魏氏が過去5年間におけるリストラや減給の常態化で、1995年以降生まれの世代がマイホームや車、結婚といった高額消費を伴う将来設計を完全に放棄しているとの見方を伝えた。

また、若者の金銭用途が従来の資産形成から、電子消費財や旅行のほか情緒的価値を提供するアートトイブランド「ポップマート」などへシフトしている状況を解説。こうした消費行動の変化が衣料品小売やフィットネスジム、自動車産業などの中級品需要に深刻な「冬の時代」をもたらしていると分析した。

その一方で、対照的に低価格帯の商品が成長を見せ、かつての袋入りインスタントラーメンや割引クーポン市場が再び活況を呈している現実を紹介。中華経済研究院国際経済所の戴志言(ダイ・ジーイエン)副研究員が、小売市場が高価格帯と低価格帯の二極へと激しく分化する歴史的な転換点にあるとの見解を示したことを伝えている。

記事は、かつて10%や8%を誇った経済成長率が近年は5%程度へと緩やかに減速し、中国が本格的な低成長段階へ移行したことを強調した上で、若者の低欲望化はマクロ経済の構造的変化を映し出しており、企業には戦略の抜本的見直しが、政府には現状に即した新政策の策定が求められていると評した。(編集・翻訳/川尻)

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