中国農業科学院生物技術研究所はこのほど、国内の大学と共同で、病原菌侵入後の根圏微生物群の共通の変化パターンを体系的に解明するとともに、根系分泌物であるトコフェロールが有益なフラボバクテリウムの集積を促進するメカニズムを明らかにしたと発表しました。研究成果は、国際科学誌『ネイチャー コミュニケーションズ』に掲載されました。

フザリウムは、土壌中に広く存在する糸状菌で、その一部は植物に深刻なダメージをもたらす病原菌として知られています。フザリウムによって引き起こされる土壌伝染性の枯萎病は、農業生産における「植物のがん」とも呼ばれ、発病メカニズムが複雑で、世界的な農業課題となっています。

今回の研究により、フザリウムが侵入した後、感染した植物の根系分泌物中のトコフェロール含量が顕著に増加し、根圏の有益なフラボバクテリウムの増殖を促進することで、フザリウムの侵入を抑制することが確認されました。これは、植物が自ら防御反応を強める「自救」メカニズムに相当します。さらに、トコフェロールとフラボバクテリウムを併用することにより、トマトの枯萎病の発病指数が大幅に低下し、根圏におけるフラボバクテリウムの存在量も増加することも分かりました。

専門家は、「この研究は、有益な菌と根系分泌物の協調作用による病害制御の新たな経路を実証したものであり、作物の土壌伝染性病害に対する生態学的防除戦略に重要な理論的根拠を提供するものだ」と評価しています。(提供/CRI)

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