2026年2月17日、中国メディアの観察者網は、英フィナンシャル・タイムズなど欧米メディアの報道や専門家の意見を参考に、中国自動車メーカーの米国市場参入の可能性について分析を加えた。

記事は、米国のトランプ大統領が先月、ミシガン州デトロイトの「デトロイト・エコノミック・クラブ」での講演で、中国の自動車メーカーの市場参入を条件付きで認める用意があると発言したことが米国の自動車業界に衝撃を与えたことや、米フォード・モーターのジム・ファーリー最高経営責任者(CEO)が先月、政府高官と中国メーカーとの協業を含む内容の会談を行ったこと、複数の中国メーカーが米国市場進出に前向きな姿勢を示していること、多くの専門家が中国メーカーの5~10年以内での米国市場参入について、安全保障やプライバシー保護の面で政財界からの問題提起はあるものの、消費者にとっては好材料と見ていることに言及し、「自動車メーカー各社はトランプ大統領が対中政策を変更する可能性を懸念している」と指摘した。

コンサルティング会社「中国汽車洞察(Sino Auto Insights)」のトゥー・ラー氏によると、中国メーカーとの競争に備えるべきか、協業を模索すべきかで迷っている北米地域の自動車メーカーからの問い合わせが増えているという。

調査会社AlixPartnersのマーク・ウェイクフィールド氏は、英フィナンシャル・タイムズの取材に対し、「一部の米国メーカーは製品開発のスピード向上のため、中国企業の開発プロセスを学ぶことを検討している。中国企業に対抗するのか、米市場進出の橋頭堡(きょうとうほ)を提供して利益を得るのかという戦略的判断を迫られた幹部たちは、相当に緊張し、不安を抱いている」と回答した。

自動車部品メーカー「DauchCorp」のデビッド・ドーチCEOは、「非常に競争力のあるビジネスモデルを持つ中国メーカーが参入してくれば、デトロイトのメーカーだけでなく、欧州や日韓のメーカーにとっても衝撃となる挑戦になるだろう。公平な競争環境がなければ、米国政府は中国企業の市場参入によって雇用に影響が及ぶことを許さないだろう」と述べた。

米自動車調査会社ケリー・ブルー・ブックのシニア・エディター、ショーン・タッカー氏は、米国の自動車市場には現時点で低価格帯に明確な空白があり、中国メーカーが参入すれば低価格帯でシェアを獲得する可能性があると指摘した。

記事は最後に、米市場進出計画を明確に表明していない中国メーカーの現時点での動向について、中国の大手メーカー・吉利汽車傘下のスウェーデンのボルボ・カーズによるサウスカロライナ州工場の13億ドル(約1989億円)規模の拡張工事や、中国とカナダの両国間で先月合意した関税引き下げの貿易協定により、年間最大4万9000台の中国製EVが6.1%の関税で輸入されることに言及した上で、専門家の見解として「中国メーカーがカナダとメキシコを押さえれば、米国を取り囲む形になり、カナダ市場の影響は米国にも及ぶだろう。現時点でカナダの販売台数は多くないが、市場参入が認められれば流れを止めるのは難しい」と伝えた。(翻訳・編集/原邦之)

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