2026年2月24日、中国メディアの第一財経は、水素エネルギー産業のコスト問題と産学研融合の必要性を論じた林伯強(リン・ボーチアン)中国エネルギー政策研究院院長の論考を掲載した。

記事によると、林氏は水素エネルギーがエネルギーの脱炭素化において重要な役割を担う一方、コストの高さが大規模な商業利用を阻んでおり、現在の水素産業は「変革期かつボトルネック期」にあると指摘。

コスト削減には研究開発の突破が不可欠であり、産学研の融合的な発展こそが産業の核心的な競争力を育む鍵だと論じた。

その上で、産学研融合の推進には三つの大きな課題があると分析。第一に、政策メカニズムの連携不全と部門間の協調不備を挙げ、企業が商業利用と経済的リターンを重視するのに対し、大学は基礎研究と学術的価値に重点を置くために協力の優先順位が食い違うこと、知的財産権の運用制度も未整備であることなどを指摘している。

また、第二の課題として企業のイノベーション主体としての地位が確立されていない点に言及。水素産業は発展の初期段階にあり、高額な研究開発投資と長い技術サイクルにより短期的な収益確保が難しく、とりわけ中小の民営企業は従来の融資ルートから支援を得にくい状況にあると説明した。

さらに、第三の課題として多分野にまたがる複合型人材の不足を挙げ、水素エネルギーを専門とする学術分野の整備が遅れており、高度な研究者や技術者の確保が追いついていないと警告した。

これらの課題を踏まえ、林氏は三つの政策提言も示している。まず、協調イノベーションメカニズムの整備として、長期目標の調整や研究評価・利益分配の改善、知的財産権の法的保護強化が必要だと訴えた。

次に企業の主体的地位を強化するため、経済的なコスト分担メカニズムの確立や専門産業ファンドの設置、グリーン金融ツールの活用、さらには技術開発リスクをカバーするイノベーション保険の導入を求めた。

そして、人材育成の最適化として業界ニーズに即した水素専門学術体系の充実や、国際的な学術交流プラットフォームの構築、大学と企業の共同指導制度による複合型人材の育成を推進すべきだと提言した。(編集・翻訳/川尻)

編集部おすすめ