2026年3月2日、中国メディアの第一財経は、中東情勢の緊迫化が世界の天然ガス価格を急騰させる一方、中国の供給面への影響は全体として限定的だとする業界の見方を報じた。
記事は、イランによるホルムズ海峡封鎖の宣言とそれに伴う安全上のリスクにより、海峡周辺の大部分の液化天然ガス(LNG)運搬船が減速または停泊を余儀なくされ、同海域のLNG輸送が事実上の停止状態に陥ったと紹介した。
そして、たとえ紛争が短期間で終結した場合でも、航路の機雷除去や積載能力の回復に半月以上を要するとの専門家の見通しを伝えた。
その上で、この供給リスクを受けてアジア・欧州・北米の市場では連動した価格上昇が生じていると指摘。アジアのLNG指標価格(JKM)と欧州のオランダTTF天然ガス先物がいずれも20%超の急騰を記録し、同時期の原油の上昇幅(約8%)を大きく上回ったと紹介した。
また、とりわけアジア市場への影響が深刻で、世界のLNG供給量の約20%を占めるカタールからの輸出が滞れば、アジアの買い手が本来欧州向けである大西洋産の資源を奪い合うようになり、価格をさらに押し上げる可能性があると分析している。
記事はさらに欧州の状況も楽観視できないとし、ロシアのパイプラインガス供給を失った欧州も米国・カタール産LNGへの依存度が高く、在庫水準は過去5年で最低に近くなっているとした。
そして、封鎖が長期化すれば欧州の供給も連鎖的に逼迫し、最悪のシナリオでは国際ガス価格が現在の水準から130%上昇する可能性もあるとの予測を紹介した。
記事は、ホルムズ海峡の閉鎖期間が価格上昇幅を左右する最大の変数だとした上で、イランによる長期封鎖は自国にも不利益をもたらすため可能性は低いと指摘。中国では3~4月に国内の天然ガス消費が繁忙期から閑散期に移行するほか、国産ガスの生産やロシアからのパイプライン供給が潤沢で、在庫も充実していることから、中国における供給面の影響は全体的に制御可能だとする業界の分析を伝えている。(編集・翻訳/川尻)











