華為技術(ファーウェイ)はこのほど、移動通信の5G-Aに適応した新たなバックホール(中継回線)ネットワークの構築方式を発表した。
2010年ごろから普及し始めた移動通信の4Gは「人と人をつなぐ」ことに主眼を置き、19年ごろからの5GはIoT(モノと人のインターネット)での利用が重視された。
しかし、5G-Aが世界規模で拡大するにつれ、従来型のバックホール(中継回線)ネットワークは、三つの問題に直面することになった。
まず、基地局における接続速度の不足だ。超高精細映像や3Dでのライブ映像配信の発展により、5G-A基地局に求められる瞬間的な最大通信能力は8Gbpsを超えた。その結果、従来型の基地局関連とネットワークを結ぶ有線リンクが能力不足に陥り、ロスレスバックホール(情報の欠落が全くない中継回線)の厳しい要求を満たせなくなってきた。
ファーウェイは基地局につながる有線の中継回線の容量を従来の10倍の10GE、あるいは25倍の25GEに増強することで、5G-Aが持つ大容量通信の真の性能を余すことなく発揮させることを実現した。8K映像や立体映像(XR)といった高品質な新サービスを安定して提供できるようになり、通信会社の収益向上に貢献することになった。
次の問題は、ネットワーク経路の硬直性だ。現場設備の半数以上がL2と呼ばれる単純な中継しかできないタイプで、その場合には基地局間の通信であっても遠方の拠点までわざわざ迂回する非効率なルートを強いられる。この古い仕組みでは、工場の自動制御やドローン活用といった、一瞬の遅延も許されない重要業務を支えることができない。
ファーウェイは基地局に高度な判断機能を持つL3と呼ばれるタイプの機器を導入した。
5G-A時代の到来とともに、もう一つ問題になっていることが、サービスの特性に応じた品質保証の不足だ。例えばドローンの利用や自動運転といった新しい分野では、用途の特性により「絶対に途切れない」「遅延時間を厳密に許容限度内にする」といった特殊な通信が求められる。しかし、従来型の古いネットワークは設定の変更が難しく信頼性も不十分であり、こうした高度な要求に応えることが難しくなりつつある。
ファーウェイは通信の全区間についてSRv6を導入した。SRv6は情報通信において、自動車の運転に例えるならば、ナビゲーションで示された走行経路の地図のような役割を果たす。しかもこの「地図」は、分単位で最適なルートに更新される。そのために、回線の一部が混雑していても、システムが瞬時に「すいているルート」を探し出してデータ送信に利用する。このため、同じ設備を使いながら20%以上も多いデータをスムーズに運べるようになり、通信効率が劇的に向上する。
SRv6はインターネットで使われるあらゆる技術ルールを確定する、世界で最も権威のある組織の一つであるIETFにより、世界標準に指定された。
このファーウェイが提案した5G-A関連のソリューションはすでに大規模な商用展開の段階に入っている。中国の試行地域ではすでに、基地局とネットワークの通信経路が10GEあるいは25GEに引き上げられたことが裸眼3Dや拡張現実(AR)、複合現実(MR)、仮想現実(VR)などのXR、さらにAIといったサービスの迅速な展開を後押ししている。南アフリカのある通信事業者はファーウェイのエンドツーエンドSRv6ソリューションを導入してリアルタイムのトラフィック最適化を実現した。このことで、それまで抑制されていた通信量を正常な状態に引き上げ、ARPU(1契約当たりの売上高)はそれまでの18ドル(約2800円)から25ドル(約3900円)にまで上昇した。(翻訳・編集/如月隼人)











