中国の地方都市で大規模なお見合いイベントが行われた。中国メディアの南方週報が3日に伝えた。
安徽省北部のある県では旧暦の新年初日(2月17日)の午前から、結婚相談所が企画した大規模なお見合いイベントが開催され、主催者発表で関係者や家族らも含め1万人以上が訪れた。テーマは「高額な結納金に反対する」ことだという。中国では地域にもよるが、結婚の際に男性側が高額な結納金を支払うことが一般的だ。
イベント主催者の孫(スン)さんは動画プラットフォームで約15万人のフォロワーを持つインフルエンサー。2025年には孫さんの結婚相談所を通じて241組の夫婦が誕生し、このうち「結納金ゼロ」で結ばれたのは14組だった。地元の結納金の相場は12万~15万元(約270万~340万円)で、18万8000元(約430万円)を超えると高額と位置付けられるという。
イベントでは、参加男性が壇上で氏名や年齢、学歴、収入、持ち家・車の有無などを自己紹介。主催者は結納金に対する考え方や、家庭内の役割分担について質問した。高額な結納金に反対することがテーマであるものの、多くの男性は「女性への尊重」「慣習の一部」などとして、結納金の完全なゼロは口にしなかった。
この日は20人以上の男性が登壇したが、終盤まで目立ったマッチングはなかった。ところが最後に登場した29歳の男性は、上海の名門大学院を修了し、IT業界で年収40万元(約900万円)超、上海に持ち家があると紹介されると、女性や親たちが一斉に食いついた。記事は「地方のお見合い市場における条件格差の現実を浮き彫りにした」と評した。
イベントに出席した病院勤務の28歳女性は、相手に175センチ以上の身長と経済力を求め、さらに「男兄弟がいる家庭は避けたい。できれば一人息子がいい」と語った。現地では一人息子かどうかということが重視されるといい、孫さんによると9割以上の女性がこの条件を希望している。男兄弟がいる場合、親の不動産や貯蓄を将来どう分けるか不透明であったり、親からの支援が兄弟間で分散してしまったりするためだ。
また、相手に兄弟がいる場合「将来もらえるはずの取り分が減るかもしれない」と考える女性側が結納金を高く設定し、先に資産を確保しておく傾向もある。兄弟がいると結納金は20万元(約450万円)に達することもあるが、一人息子なら9万元(約205万円)程度に抑えられるそうだ。ただ、近年は一人息子でも、老後資金を懸念する女性側が高額を要求する例もあるという。
イベント後、孫さんの結婚相談所には連日多くの男性と親が押し寄せているが、女性は少数にとどまった。現在の登録者数は男性3万人超に対し、女性2950人ほど。高学歴女性は約200人いるが、希望の条件に合う男性が少なく、成婚は難しいという。
男性にとっては身長も大きな壁になっている。登録男性のうち30歳前後の大卒者は4000人いるが、身長が160センチに満たない人も少なくない。
孫さんは、中高年の登録者もいるが、高齢になるとより条件にシビアになるとし、「十分な資産がなければ関係は長続きしにくい」と指摘した。最近では、借金を抱えた女性が婚約し、もらった結納金で借金を返済した後、男性との婚約を解消するという事例も。また、結納金を受け取った後に音信不通になったり、短期間で結婚・離婚を繰り返すなど結納金が目当てと思われるケースも見られたりするという。
一方で、「結納金ゼロ」を選ぶ夫婦もいる。必ずしも裕福とは限らないが、金額より互いの価値観の一致を重視する。「結納金ゼロ」で成婚した14組のうちには40代同士の再婚もあり、「誠実さ」が決め手になったそうだ。結納金はなくても、男性が自ら貯蓄や給与を共有するなど、信頼関係を築くことで成功しているという。(翻訳・編集/北田)











