2026年3月8日、中国メディア・第一財経は、中東紛争に伴う航空輸送の途絶によりドバイで大量の金が滞留し、卸売市場で異例の割引販売が発生していると報じた。
記事は、航空便の運航停止と物流ルートの遮断によりドバイに金が大量に滞留しており、倉庫保管費や資金調達コストの増大を避けるため、取引業者がロンドン基準価格に対し最大1オンス当たり30ドル(約4740円)の割引で売却する動きが出ていると伝えた。
一方で、この「割引」はあくまで卸売・取引市場での現象であり、ドバイ現地の金装飾品の店頭価格には変動が見られないと付け加えた。
また、世界の金輸送ハブであるドバイが世界の金流通量の約20%を担っていることに触れ、今回の輸送中断が世界的な金・銀流通に重大な打撃を与えていると報告。輸送の中断が長期化すればアジア市場の地域価格を押し上げ、貴金属市場の変動をさらに激化させる可能性があるとの見方を紹介した。
また、金価格の高騰がインドに大きな影響を与える可能性があると指摘。24年にドバイは世界第2位の金輸出地であり最大の輸出先がインドだったことから、インド最大の貴金属精錬業者MMTC-PAMPのサミット・グハ最高経営責任者が、中東からの供給中断により他地域からの調達の物流コストが60~70%急騰したと述べたことを伝えた。
記事は、金価格のマクロ的な動向にも言及し、今年に入り金価格は約20%上昇し、1月下旬には一時1オンス当たり5595ドル(約88万4000円)の史上最高値を記録したと紹介。中東紛争初期に急騰した後、現在は高値圏での一進一退が続いていると報じた。
その上で、元米連邦準備制度理事会(FRB)エコノミストで上海交通大学教授の胡捷(フー・ジエ)氏が、ホルムズ海峡の封鎖が長期化すれば原油供給の段階的不足を招き、安全資産需要とインフレの二重要因で金価格がさらに急騰する可能性があると指摘し、その場合はFRBが想定する年内2回の利下げ計画も全面的な見直しを迫られるとの見解を示したことを伝えた。(編集・翻訳/川尻)











