2026年3月9日、中国メディア・観察者網は香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストの報道を引用し、中国の重要鉱物分野における支配的地位が米企業のサプライチェーンに深刻な打撃を与え続けていると報じた。
記事はまず、昨年11月の米中「貿易休戦」を受けて中国側が一部重要鉱物の輸出規制を一時停止したものの、米企業の供給難は解消されていないと指摘した。
その上で、重要鉱物サプライチェーンに特化したコンサルティング会社スリー・レッグド・キャピタルのデビッド・アブラハム取締役が「中国側が供給規制を緩和する以外に直接的かつ包括的な解決策はない」と述べたことを紹介。問題は原材料価格の高騰にとどまらず、材料そのものが製造業者の手元に届かない点にあり、米国の国防・テクノロジー産業にとって「厳しい課題」となっていると指摘したことを伝えた。
そして、中国がレアアースの生産・加工分野で30年にわたり築いてきた独占的地位は短期間で模倣できるものではなく、輸出制限により市場の供給は逼迫(ひつぱく)し、レアアースに依存して部品を製造する企業は「深刻な経済的苦境」に陥っているとの分析を紹介した。
また、リーラ・リサーチ&アドバイザリーのジェシー・マルクス最高経営責任者(CEO)が、輸出規制の影響は航空宇宙、国防、半導体、電気自動車(EV)の各業界に及んでいると指摘するとともに、企業は輸出許可の取得に長期間を要することなどから事業運営上の深刻な制約が生じていると説明したことを報じた。
記事は、米政府がオーストラリアやタイ、マレーシアなどとの鉱物協力協定の締結や、約120億ドル(約1兆9000億円)規模の重要鉱物備蓄計画「プロジェクト・ヴォルト」の発表など、中国依存の低減に向けた対策を講じていることを紹介した。
その一方で、先述のアブラハム取締役が、こうした取り組みの効果が表れるまでに数年かかる可能性があるとし、短期的な供給を求めるサプライヤーとの間に深刻なギャップが存在することを指摘したと伝えた。
記事はさらに、ロイター通信の報道を引用し、米国のレアアース不足問題が悪化の一途をたどっており、航空宇宙・半導体業界の一部サプライヤーが顧客への供給を拒否する事態に発展していると紹介。米コンサルティング会社エアロダイナミック・アドバイザリーのマイケルズ・マネージングディレクターが「レアアース分野における中国の実力を示す具体例だ」と述べたことを伝えた。(編集・翻訳/川尻)











