2026年3月12日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、欧州が中国からの経済的威圧に対抗しうる独自の交渉材料を持つとする独紙の論評を紹介した。

記事は、欧州経済界が「チャイナ・ショック」に直面し、中国製品の大量流入により雇用が脅かされるとともに、対中依存度が深まる中、EUの産業戦略担当委員セジュルネ氏が「メード・イン・ヨーロッパ」計画を提唱したことを伝えた。

一方で、同計画は保護主義的な色彩が濃く、中国製電気自動車(EV)との競争圧力が減れば域内企業の技術革新意欲も低下するという弊害があると指摘。その中でも、推進派は基幹技術分野での対中依存リスクを警告し、少なくとも重要製品は域内で生産すべきだと主張していることを紹介した。

記事は、フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング紙が評論の中で、真に重要なのは域内生産の拡大ではなく「輸入依存が一方的でないこと」だと主張したことに言及。貿易相手国も欧州の特定製品に高度に依存していれば、欧州の自主性はおのずと高まると論じたことを伝えている。

また、同紙が「欧州地政学戦略タスクフォース」の研究により、機械設備や医療製品など中国が80%以上を欧州からの輸入に頼る41種類の「ボトルネック」製品が存在すると指摘し、EUが日本やカナダと連携すれば、中国に対する強力な交渉材料になるとの見解を示したと報じた。

記事によると、同紙はさらに、米国もEUの特定製品に高度に依存している点に触れ、トランプ大統領が関税で威嚇したり中国が重要中間製品の供給停止を示唆したりした場合でも、欧州には輸出停止などの対抗措置を講じる能力があると指摘。米中の間で翻弄される「駒」でいるリスクの方がはるかに大きいとして、欧州は衝突を恐れず自らの圧力手段を行使すべきだと結論づけている。(編集・翻訳/川尻)

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