米国とイスラエルによるイラン空爆以降、イラン側の報復攻撃を回避するため、ペルシャ湾やホルムズ海峡を航行する船舶が船舶自動識別装置(AIS)のデータを書き換えて「中国とのつながり」を誇示していることが明らかになった。AFP通信が伝えた。
AFP通信によると、中東産石油の海上輸送の要衝・ホルムズ海峡は2月28日に米・イスラエル両国の対イラン攻撃が始まって以降、イランは事実上この重要航路を封鎖。これまでに少なくとも10隻のタンカーなどの商船が攻撃を受けている。
ホルムズ海峡は世界の海上輸送石油の4分の1が通過する要衝だが、1日平均138隻だった通航数は武力衝突後に激減している。
こうした中、AFP通信は船舶追跡サービス「マリン・トラフィック(Marine Traffic)」のデータ分析を紹介。 一部の船舶はAISの情報を「乗組員は全員中国人」と書き換えたり、目的地欄に「中国人オーナー(CHINESE OWNER)」と入力したりすることで、イランにとって最大の経済パートナーである中国との関係を強調している。
マリン・トラフィックを所有するケプラー社の貿易リスクアナリスト、アナ・スバシッチ氏は「これらは標的になるリスクを減らすための予防的な信号だ」と指摘。必ずしも「直接的な中国資本であることを意味するわけではない」とAFP通信に語った。
実際、パナマ船籍の貨物船は9日、AISの目的地欄を「CHINA OWNER」に変更した2日後、無事海峡を通過した。過去1週間で約30隻が同様の変更を行っているという。
中国以外にも、トルコ資本やトルコ人乗組員を強調する船舶や開戦当日には自らを「ムスリム(イスラム教徒)の船」と称して安全を担保しようとするケースも確認された。
AFP通信の分析によると、3月2日以降に海峡を通過した商船は20隻以上。位置を隠すために信号を切って航行し、危険海域を脱してから再び信号を出す「ステルス航行」を行う船舶も少なくないとされる。
ホルムズ海峡をめぐり、イランの革命防衛隊は米国とイスラエルの攻撃が続けば、湾岸地域から「1リットルの石油」も輸出させないと表明。イラン国営メディアは「戦争終結を決めるのは革命防衛隊だ」と強調した。
これに対し、トランプ米大統領は9日、自身のSNSにイランがホルムズ海峡の石油輸送を止めた場合、「米国はこれまでをはるかに上回る規模で同国を攻撃する」と警告した。さらに革命防衛隊が機雷を敷設との報道もあり、緊迫の度合いが一層、高まっている。(編集/日向)











