2026年3月12日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版は、米国・イスラエルとイランの間で続く報復攻撃が湾岸地域の生態環境に壊滅的な影響を及ぼしていると報じた。

記事は、8日にイスラエルがイランの首都テヘランにある石油施設30カ所を爆撃した結果、上空に黒煙が立ち上り、有害物質を含む「黒い雨」が降ったと紹介。

イラン側も湾岸地域の石油施設や船舶への報復攻撃を実施しており、専門家らは人口密集地かつ石油・天然ガス施設が集中する同地域への攻撃が公衆衛生と環境に深刻な脅威をもたらすと警告していることを伝えた。

そして、豪メルボルン大学のガブリエル・ダ・シルバ准教授が、黒い雨には石油由来の発がん性物質のほか、爆発や火災で建材から放出された重金属や無機化合物が含まれる可能性があると指摘したことに言及。短期的には頭痛や呼吸困難を引き起こし、長期的には吸入したPM2.5微粒子が血液に入り込むことで心血管疾患や神経系疾患のリスクが高まると警告したことを紹介している。

記事は、大気汚染よりもさらに長期にわたる脅威として、石油流出による土壌・地下水の汚染を指摘。仏国立科学研究センター(CNRS)のピエール・フォール=カテロワン氏がRFIの取材に対し、石油の油性物質が土壌を汚染して植物や有機物に深刻な被害を与えるほか、炭化水素が地下水に浸透して水資源の利用に重大な影響を及ぼすと説明したことを伝えた。

また、同氏が第2次世界大戦時に汚染された工業用地で、約80年以上経った今なお帯水層の表面が数メートルの炭化水素層に覆われている事例を挙げ、土壌汚染が数十年単位で続く深刻さを強調したことにも触れた。

さらに、汚染された土壌の修復には生物分解や熱脱着、化学酸化法といった手法があるものの、いずれも膨大なエネルギーと周到な計画を要し、コストは極めて高額になると伝えている。

記事はこのほか、戦争に伴う温室効果ガスの排出が地球の気候変動をさらに悪化させる点にも触れ、その影響はいかなる国の負担能力をも超える恐れがあるとの見方を示した。(編集・翻訳/川尻)

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