2026年3月16日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは「中国との競争、ドイツは『苦しみに耐える』準備ができているのか?」と題し、中国の電気自動車(EV)やハイテク分野の急速な台頭により、ドイツ経済が前例のない競争圧力に直面しており、抜本的な改革が不可欠だとするドイツ語メディアの論評を伝えた。

記事はまず、スイスのノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング(NZZ)紙がフォルクスワーゲン(VW)の年次決算を「独中産業競争の苦い縮図」と評したことを紹介。

VWの利益は半減し、中国での販売台数は13年ぶりの最低水準に落ち込んだと伝えた。

その上で、2023年に策定されたドイツの対中戦略が、中国を「パートナー、競争相手、体制上のライバル」と定義しているものの、この表現が曖昧なため各企業が都合よく解釈し、政府が統一した支援を打ち出せていないと指摘。中国問題に詳しい南ドイツ新聞のコラムニストであるフェリックス・リー氏が「この定義は正確性に欠ける」と批判するとともに、統一的な産業政策の必要性を訴えたことに触れた。

さらに、NZZがロシアの天然ガスへの依存に続き、医薬品やレアアースなど中国製品への依存が新たなリスクとなっていると警告し、サプライチェーンの多様化に向けてアフリカや南米、インドとの原材料パートナーシップの構築や、重要物資の戦略備蓄が急務だと提言したことを紹介している。

記事はまた、独紙ベルリナー・ツァイトゥングも旧態依然の経営モデルやイノベーション力の低下、ベンチャー投資の不足、官僚主義がドイツ経済を停滞させており、早急に「再起動」しなければ米中との差はさらに開くと論じたことを伝えた。

NZZ紙は、ドイツには対中競争で勝つ機会があるとしつつも国内の団結と「明確な決断を下す勇気」が必要だと強調し、「中国文化は苦しみに耐えることを尊ぶ。今こそドイツ人も多少の苦しみに耐えるべきだ」と結んだという。(編集・翻訳/川尻)

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