太陽活動は、惑星間の空間環境に大きな影響を及ぼします。特にコロナ質量放出といって、太陽が大量のプラズマと磁場を一気に宇宙空間へ放出する際、惑星間空間の磁場環境が劇的に変化し、宇宙線の伝播に影響を与えることが知られています。

その代表的な現象の一つが、「フォーブッシュ減少」と呼ばれるものです。これは、地球上で観測される宇宙線の流量が数日から数週間にわたって一時的に低下し、その後徐々に通常レベルへと回復する現象で、惑星間空間環境の変動を精密に探る上で重要な指標となっています。

暗黒物質粒子探査衛星「悟空」の国際共同研究チームは最近、同衛星の8年間にわたる観測データを活用し、8回の電子・陽電子フォーブッシュ減少を高精度で測定することに世界で初めて成功しました。同研究では、電子・陽電子の流量が減少期および回復期に示す特徴的な行動を明らかにするとともに、これらの現象を引き起こしたコロナ質量放出の物理的パラメーター(質量、速度、温度、圧力、電気抵抗など、物質や現象の特性を決定・定量化する物理的な変数や指標)との関連性を初めて特定しました。これに関する成果は、国際学術誌『Physical Review Letters(物理レビュー・レター)』に掲載されました。

「悟空」は中国が2015年12月に打ち上げた初の宇宙空間向け暗黒物質探査衛星で、極めて高いエネルギー分解能と粒子識別能力を備えています。特に電子・陽電子の観測において、他を圧倒する性能を発揮しています。

研究チームは「悟空」の2016年から2024年までの観測データを解析し、8回の電子・陽電子フォーブッシュ減少を識別し、それらの現象における粒子流量の微細な変化を精密に測定しました。この研究は、宇宙線物理学、太陽地球環境科学、さらには宇宙天気予報の精度向上にも貢献することが期待されています。(提供/CGTN Japanese)

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