2026年3月19日、中国メディアの第一財経は「人型ロボットがウサイン・ボルトより速く走れて何の役に立つのか」と題し、人型ロボット産業が「実用化と普及の転換点」を迎えるための課題と展望を報じた。
記事は、17日に黒竜江省ハルビン市で行われた「ヤブリ中国企業家フォーラム」で、宇樹科技(ユニツリー・ロボティクス)の王興興(ワン・シンシン)CEOが基調講演を行い、中国の人型ロボットが今年半ばまでに100メートル走で10秒を切り、ボルト氏の記録を上回る可能性に言及したことを紹介した。
その上で、こうした身体能力の向上が、複雑なタスクを完遂するための高度な制御と「実用化能力」に直結すると指摘するとともに、ロボットが未知の環境下で80%の任務を達成する状態を「ChatGPTモーメント」と定義し、そのためには汎化能力のブレークスルーやデータ利用効率の向上といった技術的課題の克服が不可欠だと伝えた。
そして、今年の業界における最重要課題は「量産化」であり、新興メーカーの松延動力が挑む「年間1万台」の目標を掲げたことに言及。この「壁」が業界の試金石になると分析し、数千点の部品を扱うサプライチェーンの整備や、大規模な製造管理体制の確立が産業化の成否を分けるとの見解を示した。
さらに、周辺産業でも京東(JD.com)が標準化バッテリーの開発に巨額の資源を投入するなど、支援が加速していると紹介したほか、BtoBを中心としたレンタル市場の拡大が、実用的なビジネスモデルの確立を後押ししていると論じた。
記事は今年の人型ロボット産業の展望として、技術革新により強者優位の「マタイ効果」がさらに強まると予測。最終的には、単なる「展示効果」ではなく現場での「実用化能力」こそが市場競争の決定打になると評した。(編集・翻訳/川尻)











