中国科学院国家宇宙科学センターが率いる国際的な研究チームは中国の月探査機「嫦娥6号」の着陸器に搭載されたマイナスイオンアナライザー(NILS)を利用して、人類初となる月面上でのマイナスイオンの直接検出に成功し、月には太陽風の働きで発生したマイナスイオンが存在することを確認しました。

マイナスイオンは太陽大気、初期宇宙、惑星の電離層などの環境に広く存在しているものの、太陽光により容易に「消されてしまう」ため、寿命が極めて短く、検出が困難でした。

月の軌道上では、マイナス水素イオンの寿命はわずか約0.07秒で、これまでの月周回探査任務ではその信号を捉えることができませんでした。「嫦娥6号」は月面に着陸し、マイナスイオンの発生源付近で観測することができたため、この難題を一挙に解決しました。
中国の月探査機、太陽風由来のマイナスイオンの存在を月面で直接検出
月面でのマイナスイオン観測のイメージ

2日間にわたる観測で、NILSは六つの有効なマイナス水素イオンのエネルギースペクトルデータを取得しました。研究チームはこれらのデータを欧州のデータ通信衛星「アルテミス」が同期間に観測した太陽風パラメーターと比較分析したところ、マイナス水素イオンのフラックス(通量)とエネルギーが、太陽風のフラックスとエネルギーと極めて明確な正の相関性を示していることを確認しました。これは月のマイナスイオンが、太陽風の月面衝突に起因することを裏付ける直接的な証拠を提供したことになります。(提供/CGTN Japanese)

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