中国でペット経済が急速に発展する中、「ペットをそっくり再現するぬいぐるみ職人」が誕生している。糸や毛皮などを使い、亡くなったペットそっくりのぬいぐるみを作りあげるのがその仕事で、飼い主にとっては思い出に触れることができる品となり、慰めを得ることができる。
亡くなった愛犬そっくりのぬいぐるみを受け取った「95後(1995~99年生まれ)」の雍弘燁(ヨウ・ホンイエ)さんは瞬く間に目に涙を浮かべた。少し首をかしげ、微笑むような表情を浮かべた姿は、まさに彼女の記憶の中の愛犬そのものだった。そして「これでもうあの子と離れ離れになることはない」とつぶやいた。
寧夏回族自治区銀川市にある「ペットをそっくり再現するぬいぐるみ職人」の何鴻傑(ホー・ホンジエ)さんのスタジオを取材したところ、ファンタスティックなミニ動物園に足を踏み入れたような気分になった。そこに並ぶぬいぐるみは生き生きとした表情を宿していて、本物と見紛うほどだ。注意してじっくり観察しなければ、この瞳に力を宿した「ペット」たちが、実は毛皮やウールで丁寧に作り上げられたぬいぐるみだとは信じ難かった。
何さんにとって、この仕事は単なる手工芸好きが高じた趣味の延長ではない。ペットをそっくり再現したぬいぐるみに仕上げるために、解剖学者のように骨格の構造や筋肉の付き方などを研究し、動画を1コマ1コマ止めて見ながら、瞬時に変化していくペットの表情を分析しなければならないという。「一番難しいのは形ではなく、魂だ」と話す。
ペット経済が成長しているのを背景に、何さんの注文予約も27年までいっぱいになっている。そして、クライアントとペットの物語も多様化している。例えば、亡くなったペットのメモリアルグッズを作る若者もいれば、ペットの小さい頃の姿を忘れたくないという人、自閉症の子供に癒し系のぬいぐるみをプレゼントしたいという保護者などだ。
テクノロジーが進歩し、AIで声の再現などが試みられているが、メモリアルグッズを丁寧に作り上げる「ペットをそっくり再現するぬいぐるみ職人」は、単なる再現にとどまらず、そこに魂を吹き込んでいる。リズムの速い今の時代において、手間をかけてぬいぐるみを作り、永遠に続く愛を紡いでいるのだ。(提供/人民網日本語版・編集/KN)











