2026年3月25日、台湾メディアの中国時報は、台湾が抱える電力不足の根底に「反原発」というフレームワークがあるとし、原子力発電の復活を提言するコラムを掲載した。

記事は、台湾の現状を決定づけた転機として1986年の三つの出来事、すなわち旧ソ連のチェルノブイリ原発事故、米デュポン社の鹿港工場計画が環境保護運動の激化で頓挫したこと、そして同年9月の民進党結党を列挙。

これらを通じて「環境保護」を旗印とする反政府勢力が結集し、その後の反原発運動の中で原子力エネルギーが「罪悪」として位置づけられていったと論じた。

また、同様の構図は米国にも見られたとし、1979年のスリーマイル島原発事故では、それまで「事故率は隕石(いんせき)に当たる確率と同程度」とまで言いはやされてきた原子力への信頼が一夜にして崩壊し、業界は自己弁護すらできない窮地に陥ったと振り返った。

その一方で、米国ではその後宣伝戦略の転換により原子力を「国家安全保障」や「エネルギー需要」という新たな枠組みに位置付け直したことで、議論の焦点が「安全かどうか」から「必要かどうか」へと移行したと指摘。折しも発生したイランの石油禁輸も追い風となり、原子力発電は「必要悪」として米国で復活を遂げたと解説している。

記事は、現在の台湾の電力不足は当時の米国の石油危機と同等かそれ以上に深刻だとの認識を示した上で、核廃棄物処理技術が長年の間に進歩していることや、日本が東日本大震災後にすでに15基の原子炉を再稼働させている事実にも言及。民進党はフレームワークの構築にたけた政党であるからこそ、原子力に新たな合理的枠組みを与え、第2、第3、さらには第4原子力発電所の再稼働に踏み切るべきだと提言した。(編集・翻訳/川尻)

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