世界的に新エネルギーが急速に発展する中、新エネルギー自動車やクリーンエネルギー貯蔵などの分野におけるリチウム資源の需要が日増しに増加している。こうした中、青海の塩湖におけるリチウム資源の抽出・分離に関する重要技術で新たなブレークスルーを達成し、エネルギー業界の注目を集めている。

中国科学院青海塩湖研究所の李麗娟(リー・リージュエン)研究チームはリチウム沈殿母液中のリチウム、ナトリウム、カリウムイオンの高効率分離という技術的ボトルネックの克服に成功した。経済日報が伝えた。

リチウム沈殿母液の回収は、塩湖のかん水におけるリチウム資源の損失が大きいという業界の課題を解決する重要な手段であり、塩湖リチウム抽出の全工程における二次資源の高効率回収を実現する鍵となる。資源の総合利用効率や社会・経済的効果の向上に直結する重要な工程だ。簡単に言えば、リチウム沈殿母液とは、通常のリチウム抽出後に残る高塩分の不純物を含む溶液を指し、これまでは有効利用が難しく、処理面や環境面で課題となっていた。

中国科学院青海塩湖研究所の研究員である李氏は、「当チームは約20年にわたり研究を重ね、グリーンで高効率な抽出・分離によるリチウム回収技術を独自に開発した。新型の高選択性リチウム抽出剤を設計・合成することで、従来の抽出システムが抱えていた環境性、安全性、コスト面の課題を体系的に解決した」と述べた。

李氏の研究チームは今回、リチウム沈殿母液中の多種イオンの高効率分離をさらに最適化し、再利用可能な新型リチウム抽出システムの構築に成功した。応用結果によると、この技術によりリチウム資源の総合回収率は15~20%向上し、コストは30%以上削減できる見込みで、塩湖リチウム資源の高効率回収とクリーンな利用に実現可能な道筋を示した。

2024年には、中信国安グループ傘下の青海中信国安集団科技発展(中信国安青海科技)が業界で初めて資源回収の総合利用プロジェクトを開始した。開始当初から公開入札方式で技術協力パートナーを公募し、業界専門家による2段階の厳格な評価を経て、中国科学院青海塩湖研究所のグリーン・高効率抽出分離技術を採用し、プロジェクトの技術的方向性を確立した。

応用成果こそが技術を検証する最も有効な方法だ。

中信国安青海科技は25年に世界初となる塩湖リチウム沈殿母液からのリチウム抽出による年産6000トン級の電池用炭酸リチウム産業化実証ラインを完成させた。26年1月10日時点で470日間安定稼働し、抽出ラインのリチウム回収率は98%以上に達し、高品質な電池用炭酸リチウム製品を累計9000トン生産、新たに6億元(約138億円)近くの生産額を創出した。このプロジェクトの成功は、塩湖リチウム資源の全工程における高効率利用の「ラストワンマイル」を切り開き、中国の塩湖資源の総合利用能力を大幅に高めるとともに、世界の塩湖リチウム資源の高付加価値型循環利用に向けた再現可能な技術モデルを提供している。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

編集部おすすめ