2026年3月30日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、スイス紙ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング(NZZ)の論評を引用し、米国・イスラエルによるイラン攻撃で中露両国が「影の受益者」となっていると報じた。

記事は、イランの緊密な同盟国であるはずの中露が口頭での抗議にとどめ、実質的な軍事支援を一切行っていない現状を指摘。

いわゆる「専制主義の枢軸」3カ国は、結局のところ「利益があれば集まり、利益が尽きれば散る」だけの機会主義的な共同体に過ぎないとの見方を紹介した。

また、ロシアについては、イランというパートナーを失う代償はあるものの、世界的な原油価格の上昇が制裁下で苦しい戦費調達問題を一挙に解決したと分析。米国がイランに軍事資源を投入せざるを得なくなったことで、ウクライナへの支援余力が低下していることもロシアにとっては追い風であることを伝えた。

一方で中国については、エネルギー価格高騰や貿易停滞による経済的ダメージを受けつつも、政治面では大きな恩恵を得ていると指摘。米国の国際的イメージが各国の世論調査で低下するなか、中国は「平和と安定に尽力する超大国」としてのブランディングを進めていると論じた。

記事はさらに、米国が中東対応に追われる間、中国は軍事・テクノロジー分野で米国を追い越すという「主戦場」に全力を注げる状況にあるとも分析。イラン戦争が欧米間の亀裂を深め、ドイツが「これはわれわれの戦争ではない」と距離を置いていることに触れ、西側の結束が乱れることこそ中露の利益にかなうとの見解を伝えている。(編集・翻訳/川尻)

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