中国で人型ロボットが自動車メーカーにとって先見的戦略の焦点になりつつある。独自開発、投資・株式参入、提携などの形で人型ロボット分野に乗り出す世界の主要自動車メーカーは20社に迫る。
自動車メーカーが大挙して人型ロボット産業に進出するのはなぜか。一つ目の理由は、戦略的な現状打破が喫緊の課題だからだ。自動車産業は電動化・スマート化へのモデル転換というチャンスをしっかり捉え、過去10年間にスマートコネクテッド新エネ車という戦略的新興産業を生み出し、さらに市場の成長ペース、産業チェーンの拡大発展性、資本市場の熱量などの点で一時は右に出るもののない存在になりはしたが、「内巻式競争(閉鎖的環境における過度な消耗戦的競争)」が繰り広げられたことで「量も売り上げも増えるが利益は増えない」苦境に陥り、ますます多くのメーカーが第2の成長カーブを見いだそうと躍起になっている。多くの投資銀行が、将来的には10兆ドル規模の市場価値を持つ人型ロボット産業が創出され、自動車メーカーの新たな選択肢になるだろうと予測する。
二つ目の理由は、スマートカーと人型ロボットには技術の類似性があるからだ。「エンボディドAIロボット」のさまざまな形態での具現化という角度で見ると、自動運転車は「車輪のついたロボット」と見なすことができる。アルゴリズム、計算能力プラットフォーム、センシングのハードウェアから基盤モデル、さらにはトレーニングデータまで、自動車と人型ロボットの間には大量の共有可能な技術のモジュールとサプライチェーンのリソースが存在する。人型ロボットの移動能力には、電気自動車の中核である3つの電気システム(バッテリー、モーター、電気制御システム)の技術が大量に転用されている。小鵬汽車を創業した何小鵬氏は、「自動車メーカーが蓄積した技術の70%は人型ロボットに直接転用できる」と率直に語った。
三つ目の理由は、企業内部に商用化の実践シーンがあるからだ。ここ数年、人型ロボットを手がける自動車メーカーのテストやトレーニングに関連したニュースがしきりに話題になり、これまで取材を受けた多くの企業の創業者も、「目下の人型ロボットの商用化実践における突破口は、製造業の製造ラインと商業施設での案内業務だ。
技術の類似性の高さ、サプライチェーンの重なり合いの広さ、企業内部の実践シーン、データ収集のクローズド・ループなどは、自動車メーカーが人型ロボット分野に参入する際に築いた「経済的堀」であり、資本市場では極めて想像力をかき立てられる投資の「金鉱」と受け止められている。少し前には、小鵬汽車や現代汽車(ヒョンデ)、理想汽車から、人型ロボットを巡る進化、実施計画、研究開発、求人拡大などのニュースが次々に伝わってきた。しかし、人型ロボット産業に参入した多くの自動車メーカーは、商業化の見通しを長期的に有望視すると同時に、人型ロボットの技術的な難度や市場チャンスなどについて依然として冷静に判断する必要がある。
まず、技術的な難度について見てみよう。人型ロボットは3D空間において、擬人化された形態で、人間との間で安全で高効率の、正確かつ予測可能なマルチモーダルインタラクションを行うことが求められる。つまり、ステージの上であらかじめプログラムされた「超絶技巧」を披露する現在から、汎用性を実現して一般家庭に大規模に導入されるようになる未来まで、人型ロボットはまだ長い道のりを歩まなければならないということだ。そのためには引き続き大規模な資金と人材の投入が必要で、全固体電池やフレキシブルセンサーといった新技術のブレークスルーが必須であり、フィジカルAIが「ChatGPT式の飛躍」を遂げることも必要になる。
次に、市場チャンスについて見てみよう。目下、ロボットアームは製造業のほぼすべての大規模大量生産現場で応用が可能になった。
中国工業・情報化部によると、25年に中国の人型ロボット完成機メーカーは140社を超えた。この数字から、人型ロボット産業が今後も多くの企業が参入する成長産業であることがうかがえる。今、この産業に参入するなら、チャンスを迎えるとともに挑戦にも直面することになる。(提供/人民網日本語版・編集/KS)











