フランスメディアのRFIは4日、中国国内で中国系フランス人への死刑が執行されたとして、フランス外務省が中国当局を非難する声明を発表したと伝えた。

死刑を執行されたのは、チャン・タオ・プーミー死刑囚だ(中国語名は陳森)。

チャン死刑囚はラオス生まれの華人で、フランス国籍を取得していた。チャン死刑囚は覚せい剤の密造密売グループに加わり、手下に指示して覚せい剤の受け渡しをさせていた。グループは1999年から2003年にかけて、広東省や河南省の複数個所で一戸建ての家を借り、覚せい剤を数トン規模で製造した。警察はグループが借りていた家で、白色の結晶3984.141キロを押収した。鑑定の結果、結晶は強力な覚せい剤であるメタンフェタミンを含んでいることが判明した。

チャン容疑者は05年に逮捕され、無期懲役を言い渡された。その後、チャン容疑者が覚せい剤の製造にも関わっていたことが判明し、10年に改めて死刑判決が言い渡され、判決は確定した。フランス外務省の声明によると、死刑執行は26年4月4日だった。

フランス外務省は声明中でまず「10年に薬物密売で死刑判決を受けた同胞のチャン・タオ・プーミー氏(62歳)への死刑が広州で執行されたとの知らせに、驚愕しております。フランス当局が人道的理由から同胞への寛大な措置を求めるなどの働きかけをしたにもかかわらず、中国当局は20年以上の投獄の末に、刑を執行する決定を下しました」と表明した。

フランス外務省、自国民への死刑執行で中国を非難―仏メディア
チャン・タオ・プーミー

声明は続けて「私たちは特に、チャンの弁護人が最終公判への出席を禁じられたことを遺憾に思います。これは本人の権利を侵害するものです」「フランスはあらゆる場所、いかなる状況においても死刑に反対することを改めて表明し、その普遍的な廃止を呼びかけます」などと表明した。

死刑反対世界連盟(ECPM)による25年時点の発表によると、同時点ではチャン死刑囚を含め、世界各地で死刑判決を言い渡されたフランス籍保有者が4人いた。一人は05年にアルジェリアで死刑判決を受けたノラ・ララム死刑囚だ。ノラ・ララム死刑囚については情報が乏しいが、アルジェリア系の女性とされる。さらに、モロッコのマラケシュで1994年に発生したイスラム教原理主義者による爆破事件では、フランス国籍を持つ2人に死刑が言い渡された。

それとは別に、07年にインドネシアで死刑判決を受けたフランス人のセルジュ・アトラウイ元死刑囚は、25年2月に外交協定に基づきフランスに引き渡され、フランスの裁判所は死刑を30年の禁錮刑に減刑した。アトラウイ元死刑囚はその時点で長期にわたり拘束されていたので、同年7月に釈放された。

国際的な人権団体であるアムネスティ・インターナショナルは、その24年に発表した死刑報告書の中で、「中国は世界で最も多く死刑を執行している国であり、毎年数千人が死刑判決を受け、執行されている」との推定を示した。中国は死刑執行の公式統計を国家機密に指定して、公表していない。(翻訳・編集/如月隼人)

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