2026年4月5日、中国のポータルサイト・捜狐に「エヴァンゲリオン」30周年記念の短編アニメーションは「アスカ派へのラブレター」だと主張した記事が掲載された。

記事は、「最初に一つやや過激な持論を述べておく。作品というものは、ただ優れているだけでは、いずれ時間とともに忘れ去られてしまう。長く話題性を保ち続けるためには、作品そのものの質に加え、何らかの要素が必要となる。例えば話題作り、あるいはカップリング論争などである。実際、作品が30年を経てもなお『碇(いかり)シンジは綾波(あやなみ)レイと惣流(そうりゅう)・アスカ・ラングレーのどちらを選ぶべきか』と問えば、いまだに議論が巻き起こるであろう」と述べた。

そして、「もちろん、この程度の理屈は業界側も十分に理解しているはずである。さて、先月『エヴァンゲリオン』30周年記念フェス『EVANGELION:30+;』にて上映された短編アニメーション『エヴァンゲリオン放送30周年記念特別興行』を覚えているだろうか。筆者の見解では、同作はほとんど『アスカ派へのラブレター』と言って差し支えなかった」と論じた。

そして、「上映時間は15分にも満たず、内容自体は比較的シンプルであった。惣流と式波(しきなみ)2人のアスカがまりで漫才かのように互いをからかい合い、その後惣流アスカが幸せな展開を望むと、式波アスカが夢の中で試そうと持ちかける。以降はやや脱線気味の小ネタが続く。これだけであれば『ラブレター』とは言い難い。決定的なのはラストの一幕である。手を差し伸べるシンジに対し、短編では手描き風のイラストが挿入され、惣流アスカとシンジが関係を深め、やがて結婚し、3人家族になるまでの過程が描かれる。この展開により、多くのアスカ派のファンが歓喜したことだろう」と言及した。

記事は、「ところが、強烈なラストが用意されていた。そうした理想の未来を想像した後、惣流アスカはシンジの手を取らず、代わりに心からの笑みを浮かべて彼に感謝を伝え『夢に頼ることはやめる。現実の自分の力で幸せになる』と語るのである。強気でありながらも穏やかなその言葉は、彼女自身の生き方を明確に示すものであった。この展開に、多くの視聴者が思わず拍手を送った」とした。

そして、「このような構成にした理由について、庵野秀明監督は、惣流アスカについてはずっと気になっていたものの新劇場版の制作時は何もできず、今回新作を作るにあたり内容を思いつき、実現できて良かったと語ったという。今回の短編は彼女に対して何かを補いたいという思いから制作されたものであり、大袈裟な言葉ではあるが、同作は彼女への救済であり贖罪でもあるとであるとも語っている」と紹介した。

その上で、「自身の作品と向き合い、ある種の和解を果たしたかに見える庵野監督であるが、その本質はやはり変わらない。30年を経てもなお、当時のファンにこれほど強いインパクトを与える一手を打てる点は見事と言うほかない。また、作中でアスカが何度も口にする『リテイク』『カット』という言葉が、何らかの示唆であるのではないかと考える者も少なくないであろう。総じて、この短編は尺こそ短いものの、非常に密度の高い内容であり、特にアスカ派にとっては強く刺さる作品であったと言える」と評した。(翻訳・編集/岩田)

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