2026年4月6日、中国メディア・南方人物週刊は、3月19日に米空軍のF-35Aがイラン上空での作戦中に損傷し、中東の米軍基地に緊急着陸した事案を分析する記事を掲載した。

記事は、米中央軍と国防総省が機体トラブルによる緊急着陸を認め、イランのイスラム革命防衛隊が前線赤外線監視装置(FLIR)で捉えたとされる被弾の映像を公開したと紹介。

撃墜には至らなかったものの、実戦で第5世代ステルス機が地対空火力に被弾した初の事例だと伝えた。

また、イラン側の戦術について、開戦初期に防空施設の多くが破壊され、警戒レーダーを稼働させれば即座に空中火力の標的となる状況下で、米・イスラエル連合軍の飛行ルートや時間、高度などの活動パターンを把握し、予測ルート付近に防空火力を事前に配置する待ち伏せ戦術を採らざるを得なかったと解説した。

その上で、戦果を挙げたとみられるイラン製の防空巡回型ミサイル「358」の特性について、電波を発せず目標の赤外線シグネチャのみを追尾するため、敵機の電子戦装備がレーダー波を検知できずに警告を出せないと説明した。

さらに、同ミサイルが搭載する小型ターボジェットエンジンは赤外線放出が少なく飛行速度もマッハ0.6程度にとどまるため、F-35の高度な赤外線ミサイル接近警報装置が「脅威度の高い防空ミサイル」ではなく「低速の小型機」と誤認した可能性があると伝えた。

記事は、イランが分散型の防空ネットワークを構築していることにも触れ、レーダー稼働のリスクを避け、中西部の山岳地帯に大量の赤外線・光電センサーを配置してデータリンクで統合していると紹介した。

そして、10年前は約50キロにとどまっていた光電探知距離が、赤外線イメージングチップの進化で現在は400キロ級にまで拡大しており、人工知能(AI)技術の進歩で複数センサー画像による距離計算の精度がレーザー測距の97%水準に達し、実戦レベルになっているとした。

記事は、こうした技術は第5世代機の開発当時には存在せず、当時のステルス設計は急速な光電技術の進歩に対応しきれていないと指摘した上で、米軍はすでに第6世代機に向けた光学ステルスやレーザー兵器、無人随伴機の研究開発を加速させており、新世代の攻防技術競争はさらに激化するとの見通しを伝えている。(編集・翻訳/川尻)

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